出版社内容情報
屋久島へのつきぬ想いと美しい写真の共演。
作家・田口ランディの原点・屋久島での魂の解放の物語。悩める若者たちへの渾身のメッセージと美しい写真のコラボレーション。
深い森のなかを歩いていると、いろんなことを思い出す。/とくに失敗したこと、悔しかったこと、思うようにやれなかったこと、後悔してること、やり直したいこと、そんなことを思い出す。/欲しかったのに、恥ずかしくて欲しいと言えなかった。/やりたかったのに、やりますって手を上げられなかった。/いやだったのに、顔で笑ってしまった。/許したいのに、どうしても許せない。/屋久島に行ったころの私のなかには、そんなものがいっぱい詰まっていて、もう心がパンパンで破裂寸前って感じだった――。
▼作家・田口ランディが生まれる転機となった屋久島。樹に触れ、雨に濡れ、森に抱かれるうちに、かたく閉ざされていた心はしだいに解きほぐされ、ある決意へと変わってゆく。「森には、封印した魂を、生き返らせる力が、あるのかもしれない」
▼屋久島に魅せられた写真家・山下大明と作家・田口ランディがコラボレートする屋久島へのメモワール。
●樹の記憶
●水の記憶
●森の記憶
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
100
屋久島に向かう鹿児島空港で読んだ。「悪天候のため、引き返す可能性があります」とアナウンスがあった。本と現実が共鳴してる。「ひと月に三十五日雨が降る島」は今日も雨らしい。山下大明の屋久島の自然と、田口ランディの文筆家になる決意に至るまでの文章が、交互に構成された横長の本。「最後に自分を許すのは、自分。最後に自分を救済するのも、実は自分だ。私はそう思っている。」何度も屋久島に通ううち、たどり着いた著者の言葉。2002年発行。2024/04/27
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
29
作家・田口ランディさんによるエッセイと、写真家・山下大明氏による屋久島の写真を掲載したフォトエッセイです。ハァ~・・思わずため息がもれます。田口さんによるエッセイもさることながら、山下氏による屋久島の写真も素晴らしかったです!こういうのを見るとやっぱり屋久島に行ってみたくなります。癒されたい時にまたこの本を手に取ってみたいです。★★★★2012/02/12
おくらさん
10
屋久島の写真には、何故かどんな時代になっても、どんな日常であろうとも 変わらない揺るがなく過ぎていく時があるのだと感じた。 最後に自分を許すのは、自分。最後に自分を救済するのも、実は自分だ。 この本は近くに置いておきたい。 2017/05/28
アネモネ
4
深い緑に とても きれいな 涼しさを 感じた。 屋久島にいきたい。 屋久島で 出会いたい。2011/06/28
いつかスナフキン
3
屋久杉の流れる時間と比べれば、自分の存在はちっぽけで、そんな自分の悩み事もどうでもよく思えてくる。そんなわけで、何度かお世話になっている本。2011/12/23