出版社内容情報
元スイス大使が説く「あるべき日本外交の姿」
外務省の不祥事が続いている。本来日本の外交を通じて国益を追求すべき外務官僚の仕事とは何か、世界とどうつき合うべきかを考える。
著者は元外交官である。昨今のワイドショー的外務省騒動に心を痛める一人である。外務省批判や日本の外交停滞は、いったい何を象徴しているのか。著者はいう。「日本社会は金太郎あめのごとくで、どこを切っても切り口は同じだし、悪くいえば『一億総こわっぱ役人』化現象ともいえる。日本では一つの組織だけが良く、あるいは悪いということはありえない」と。結論を急げば、外務省騒動は、エリートたちが国を動かす時代から、良くも悪くも国民大衆が動かす時代になったことを象徴している。著者は、そのことを国民自らが自覚し、その責任と義務を果たすことを説く。日本外交が停滞すれば、それはそのまま国民大衆に影響が及ぶ。本書は、本来外交とは何か、外交官は何をすべきか、21世紀の外交はどうあるべきか、を正面から論じている。
●第1章 外交官はどんな仕事をしているのか
●第2章 在外公館における情報収集活動
●第3章 巷間の外務省批判にどう答えるか
●第4章 国際社会における日本の役割
●第5章 日本外交の原点はここにある
●第6章 21世紀外交の主役は誰か
目次
第1章 外交官はどんな仕事をしているのか
第2章 在外公館における情報収集活動
第3章 巷間の外務省批判にどう答えるか
第4章 国際社会における日本の役割
第5章 日本外交の原点はここにある
第6章 二十一世紀外交の主役は誰か
著者等紹介
加藤千幸[カトウチサチ]
1930年福井県生まれ。大学卒業後、54年外務省入省。80年在フランクフルト総領事、81年在ベルリン総領事、84年駐シリア大使、89年駐チェコスロバキア大使、92年駐スイス大使を歴任。ベルリン時代には、荒れ果てていた旧日本大使館の建物を文化交流センターとすべく奔走した。94年退官し明星大学教授、98年近畿大学教授。この間、東洋大学国際地域学部設立委員を兼任する。現在は執筆活動に専念する
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