PHP新書<br> 龍の文明・太陽の文明

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龍の文明・太陽の文明

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  • サイズ 新書判/ページ数 188p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569617350
  • NDC分類 222.03
  • Cコード C0220

出版社内容情報

長江発掘調査で浮かんできた日本民族の起源。

北の龍・南の太陽と鳳凰。この南北文明の融合と滅亡の歴史を繙くことで、中国文明と縄文・弥生文化の起源まで解き明かす壮大な文明論。

北方を起源とし、覇権主義的な性格を持っていた龍の文明。一方、南の長江流域で発祥し、再生と循環の世界観を基本とした太陽の文明。約七千年前、この全く性質の異なる二つの文明が中国大陸の北と南に存在した。

▼その後、二つの文明は衝突し、結果、漢民族支配の龍型・中華文明が覇権を握ることになった。そして太陽の文明は滅び、一部は少数民族と日本民族へと受け継がれ生き残る。

▼著者は、「環境考古学」という分野を日本で初めて確立した。現在手がけている「長江文明の探求」プロジェクトを通して、「長江文明の担い手は苗族をはじめとする少数民族だった」ことを発見。その成果を本書で発表している。

▼内容、〇龍と王権〇南北構造のルーツ〇なぜ日本人は雲南省に共感するのか〇稲作漁撈文明の系譜――日本文明の源流を問う〇覇権主義から環境主義へ、など。

▼南北文明の壮大な興亡の歴史を読み解きながら、日本と中国の古代史に貴重な1ページを加える一冊。

●第1章 龍の文明 
●第2章 鳳凰と太陽――稲作・漁撈民のシンボル 
●第3章 北の龍・南の鳳凰 
●第4章 稲作・漁撈文明の系譜――日本文明の源流を問う 
●第5章 東洋文明の復権

内容説明

北方を起源とし、覇権主義的な性格を持っていた龍の文明。一方、長江流域で発祥し、再生と循環の世界観を基本とした太陽の文明。約七千年前、この全く性質の異なる二つの文明が中国大陸の北と南に存在した。その後、二つの文明は衝突し、結果、漢民族支配の龍型・中華文明が覇権を握ることになった。そして太陽の文明は滅び、一部は少数民族と日本民族へと受け継がれ生き残ることになる。南北文明の壮大な興亡の歴史を読み解きながら、日中古代史に貴重な一ページを加える一冊。

目次

第1章 龍の文明
第2章 鳳凰と太陽―稲作・漁撈民のシンボル
第3章 北の龍・南の鳳凰
第4章 稲作・漁撈文明の系譜―日本文明の源流を問う
第5章 東洋文明の復権

著者等紹介

安田喜憲[ヤスダヨシノリ]
1946年三重県生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程退学。理学博士。広島大学総合科学部助手をへて、88年国際日本文化研究センター助教授、94年同センター教授、現在に至る。95年麗沢大学客員教授。96年フンボルト大学客員教授。97年~99年京都大学大学院理学研究科教授(併任)。96年中日文化賞受賞。「環境考古学」という分野を日本で初めて確立。古代文明の盛衰と環境変動とのかかわりを世界的スケールから研究し、自然科学と人文科学の学際的研究に取り組んでいる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kumisuke92

7
北方・漢民族の龍(畑作)の文明に、長江あたりの太陽の文明は(稲作)滅ぼされた。しかし日本には南から太陽の文明が渡ってきたのだ。そう考えれば何故日本の天孫降臨が南九州なのか、太陽神を祀るのか、伊勢神宮が大事なのかの謎が解ける。天武天皇は中国のシステムを取り入れつつも独立を強化しようとしてきた天皇なので古事記の中で日本文明の起源がわかるようにしてきたのだろう。。。なるほどと思わせられる点が多かったが、北方の畑作文明とカテゴライズされている朝鮮が太陽・鳳凰を王朝のシンボルにしているという点で矛盾があるのでは?2016/10/16

caramelscratch

2
日本民族と日本国家は、中国の苗族などと同じく文明史的には「森の文明」「稲作・漁撈文明」を継承する少数民族に属する「少数言語国家」であるという厳しい現実である。(p186)2015/03/07

茶幸才斎

2
かつて、歴史教科書と靖国問題で日中関係が緊張していた頃の著作。古代中国には、黄河流域の畑作・牧畜地帯に龍信仰が、長江流域の稲作・漁撈地帯に太陽・鳥信仰があり、約3千年前の気候変動期に龍が太陽・鳥を駆逐した。太陽・鳥の一部は難民として日本に渡って稲作をもたらし、土着の文化と融和して弥生社会を作り、後に天皇王権をも形成したと主張する。そして、21世紀に日本を含む東アジアが警戒すべきは、龍の台頭、すなわち中華文明の覇権主義なのだと言う。当時の筆者の危機意識は、今、現に真実味を増している。洒落ではなく鳥肌が立つ。2012/10/06

冬至楼均

0
中国文明の二つの流れ。2010/08/25

冬至楼均

0
「龍の起源」と合わせて読んで、龍と蛇は同根なのか、別系統なのか。 改めて考えた。2021/10/03

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