出版社内容情報
新しい中華ネットワーク構想を描いた渾身作。
金と自由に目覚めた中国人。天安門事件以後、新型チャイニーズが出現してきた。密航者から民主化の旗手までを追いながら描いた新中国論。
天安門事件以後、共産党一党支配体制で経済のみの民主化―「社会主義市場経済」という歪な体制により、中国人の価値観は変容した。タブーとされていた「カネ」と「自由」と「性」をなりふり構わず求め始めたのだ。「先富起来」(金持ちになれる者から、先になれ)をスローガンに13億の人民たちは欲望を顕わに動き出し、世界のあらゆる場に流出しつつある。持たざる者は、密入国、偽装結婚、窃盗などをビジネスとして日本に潜む。民主化運動の旗手たちは、欧米に渡ってもなお共産党に挑み続けている。そして、共産党の弾圧にも関わらず増殖し続ける謎の集団・法輪講は……。
▼人権問題、地域格差、中台問題、高齢化の懸念などを孕みつつも、WTO加盟、北京五輪開催を梃に疾走し続ける超大国・中国。本書は、70年代から中国社会をルポし続ける著者が、新生チャイニーズの潜在力と民主化への胎動を肌で感じながら描いた渾身のノンフィクションである。
●序章 新生チャイニーズの出現――「カネ」と「自由」への扉
●第1章 中国租界への接近――日本人が知らない闇のビジネス
●第2章 ポスト天安門世代――市場経済化に乗る新型チャイニーズ
●第3章 奔流する巨龍――新世紀を開く米・中・日関係
●終章 新たな開国――外国人から隣人へ
内容説明
天安門事件以後、「社会主義市場経済」という歪な体制が中国人の価値観を変えた。タブーとされていた「カネ」と「自由」と「性」をなりふり構わず求め始めたのだ。彼らは、世界のあらゆる場に根を下ろしている。日本に潜む密航ビジネスや窃盗集団。欧米から共産党に挑む民主化運動の旗手たち。そして増殖する謎の集団・法輪功…。七〇年代より中国社会をルポしつづける著者が、新生チャイニーズの潜在力と民主化への胎動を肌で感じながら描いたノンフィクション。
目次
序章 新生チャイニーズの出現―「カネ」と「自由」への扉
第1章 中国租界への接近―日本人が知らない闇のビジネス(中国人の街、新宿・歌舞伎町;出稼ぎはネットワーク産業)
第2章 ポスト天安門世代―市場経済化に乗る新型チャイニーズ(ビジネス優先の国、中国;性を語るポスト天安門世代;とめられない法輪功の信者拡大;あるポスト天安門世代の転身)
第3章 奔流する巨龍―新世紀を開く米・中・日関係(中国の民主化のゆくえ;中国と台湾を隔てる海)
終章 新たな開国―外国人から隣人へ(加速する中国の市場経済化;チャイナの人流時代)
著者等紹介
森田靖郎[モリタヤスロウ]
ノンフィクション作家。1945年兵庫県生まれ。関西学院大学経済学部卒。文革、天安門事件、改革開放政策と激動する中国と同時代を生き、常に現場に立ち、そこに生きる人々をルポしつづける
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