出版社内容情報
現代人にとって旅とは何か。風景とは……。写真家淺井慎平が、旅で出会った日本のたたずまい、風景、こころの姿を集大成した写文集。
旅を日常とする写真家・淺井愼平氏が、百枚以上の写真とエッセイで、日本の町のたたずまいと、その町を訪ねる旅心を綴った写文集。淺井氏は、本書にこめた思いを次のように語っています。「旅の目的はさまざまだが、それとは関係なく『通り過ぎた町』が気になっていた。通り過ぎ、佇んだ町の写真を撮り、そのときどき、こころをよぎる感慨を語るのだ。これは、移動の多い現代人なら誰もが体験することなので、そんな風景を写真に撮る人たちには、ぼくの方法論を伝えられるかもしれない。そうでない読者にはイメージの旅をプレゼントしたかった。結果はどうだろうか。趣味で写真を撮る人には撮影の参考に、旅をしたい人には旅のイメージを楽しんでいただき、この国の現在を見つめるきっかけになるならとても嬉しい」。読者にやさしさとやすらぎ、懐かしさに満ち溢れる写文集です。
●瀬戸
●神宮前
●名古屋
●知覧
●横須賀
●松本
●乗鞍高原
●浅草
●長崎
●柳川
●原宿
●通天閣界隈
●門司
●下北沢
●江ノ島
●青森駅周辺
●神楽坂
●柳井港 ほか
内容説明
旅の達人・浅井慎平が出会った町、人、風景、旅ごころを写真とエッセイで綴った珠玉の写文集。
目次
瀬戸(愛知県)―月日は百代の過客
神宮前(東京都)―アンティークになりきれない骨董
名古屋(愛知県)―故郷は懐かしき方言のなか
知覧(鹿児島県)―時は流れながら止まっている
横須賀(神奈川県)―気のきいた短編小説
夕張(北海道)―人の世のもつ切なさ
増毛(北海道)―市井とたたずまい
熱海(静岡県)―昔の写真帖をめくるように
松本(長野県)―忘れかけていたにっぽんの旅情
乗鞍高原(長野県)―晴れの日、雨の日、雪の日〔ほか〕
著者等紹介
浅井慎平[アサイシンペイ]
1937年、陶芸の街・愛知県瀬戸市に生まれる。大学時代は映画作家を志してシナリオを書き、撮影所に通っていた。学園祭のパンフレットのカバーのために写真を撮ったことで、写真の面白さに気づく。グアム島の日常風景を写した『ストリート・フォトグラフ』『ビートルズ・東京』の写真集で独自の視点が注目され、デビューをはたした。その後、チャック・ベリーの撮影で東京アートディレクターズクラブ最高賞などを受賞。写真表現の他に文芸、音楽、映画、工芸など、さまざまな分野でも活躍している。レコード『サーフ・ブレイク・フロム・ジャマイカ』ではゴールデン・ディスク賞を受賞した。近年は地球環境問題に強い関心を持ち、主として水辺や歴史的視野からの風景などを撮影し、シンポジウム、テレビジョンにも積極的に参加、時代に新しい風を送っている
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