出版社内容情報
日本の子供たちの「学力低下」を、このまま見過ごしていいのか。わが国の教育崩壊に警鐘を鳴らし続けてきた著者による渾身の評論集。
意外に報じられていないことだが、昨年(2000年)の4月に、主要八カ国(G8)教育大臣会合、いわゆる「教育サミット」が東京で開かれた。同会合の議長サマリーには「労働市場で求められる技能レベルは高く、すべての社会は教育レベルの向上という議題に直面している」とあり、「学生の学力向上」「成績や学力をモニターし、比較するための指標を開発すること」が盛り込まれている。
▼ひるがえって、わが国の文部行政が目指している方向はといえば、教科学習、ペーパーテストを削減したうえでの「生きる力」の追求だという。これは少なくとも、諸外国の方向性とはまったく逆だ。他の先進国は学力向上を目指しているのに対して、わが国だけが外国の過去の失敗例を導入しようとしているのだ。
▼著者は「このまま行けば、日本の教育は世界の孤児になる」と警告する。近年のわが国における学力低下問題に警鐘を鳴らし続けてきた著者による渾身の評論集。
[第1章]憂慮
●勉強で子供を救う
●エリート教育のどこが悪い? 他
[第2章]主張
●最後の日米逆転の危惧
●子供たちはなぜ対話下手になったか 他
[第3章]異見
●「お受験」殺人・ほんとうの教訓
●新潟少女監禁事件、もう一つの悲劇 他
[第4章]対論
●EQ&IQ
●子供は権威に飢えている 他
[終章]呼号
●「お国のため」の学力再建
内容説明
社会の指導層、そしてすべての父母に告ぐ―いまが最後のチャンス、勉強こそ子供を救う。
目次
第1章 憂慮(勉強で子供を救う;エリート教育のどこが悪い?;「教育2002年問題って何だ?;学力崩壊からわが子を守れ!)
第2章 主張(最後の日米逆転の危惧;子供たちはなぜ対話下手になったか;日本の教育は「世界の孤児」になる;監視教育が子供の心を蝕む)
第3章 異見(「お受験」殺人・ほんとうの教訓;新潟少女監禁事件、もう一つの悲劇;「英語公用語化」に物申す;東大の65歳定年を許すな;理数軽視の時代への警鐘(数学力の低下は何を意味するか?;数学忌避の時代への対処法は?;))
第4章 対論(EQ VS IQ―最後の対決・本当に人生に必要なものはどっちだ?(ダニエル・ゴールマン)
子供は権威に飢えている―“権威”なき学校・家庭に子供の教育は期待できない(渡辺昇一)
階層分化をくいとめよ―決め手は「相続税率」アップ、「受験教育」徹底化(野口悠紀雄)
「管理教育」でなぜ悪い―罪と罰の体系を示して生徒をコントロールすべきだ(加藤十八))
終章 呼号(「お国のため」の学力再建)
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みんと
ともあきほ