PHP新書<br> 花見と桜―日本的なるもの再考

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花見と桜―日本的なるもの再考

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  • サイズ 新書判/ページ数 234,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569610634
  • NDC分類 386.1
  • Cコード C0239

出版社内容情報

  日本人は桜を愛でたのか、花見に興じたのか??悲哀の文化である桜より、宴の文化=花見に日本文化の本質を見出す知的刺激に満ちた論考。  花見か桜か、どちらが真に日本的なるものか? はかなさや精神性、悲哀の美学と結びつけられることが多い桜。だが、桜だけで見て「花見」に目を向けなくては、日本文化の本質を理解したことにならない。▼「群桜」「飲食」「群集」の三つを成立条件とする花見こそ世界に類のない民衆文化である。このような観点に立ち、「桜が国民的花であるゆえん」から、現代の非日常・ハレの行事とする花見を通しての「日本社会の問い直し」まで試みる。▼目次は以下の通り。 ●「花見」論へ??「桜」の民俗学を超えて ●外国人が見た花見 ●世界に花見はあるか ●花見と近世都市江戸??民衆的日本文化の誕生 ●花見の文学 ●現代社会と花見 ●花見の根源を考える??社会人類学・社会心理学的花見論。▼以上のような考察を通して、「貴賎上下を超えた共同の幸福の場」としての花見と、古来より豊かな社交性で生活に彩りを与えてきた日本人の姿を描き出す。ユニークな「花見論」への挑戦。  ●第1章 「花見」論へ??「桜」の民俗学を超えて ●第2章 外国人が見た花見 ●第3章 世界に花見はあるか ●第4章 花見と近世都市江戸??民衆的日本文化の誕生 ●第5章 花見の文学 ●第6章 現代社会と花見 ●終章 花見の根源を考える??社会人類学・社会心理学的花見論

内容説明

花見か桜か、どちらが真に日本的なるものか?精神性や悲哀の美学と結びつけられることが多い桜。だが桜だけを見て「花見」に目を向けなくては、日本文化の本質を理解したことにならない。「群桜」「飲食」「群集」の三つを成立条件とする花見は、世界に類のない民衆文化である。本書では、「貴賤上下を超えた共同の幸福の場」としての花見の歴史的・社会学的考察を通して、古来より豊かな社交性で生活に彩りを与えてきた日本人の姿を描き出す。ユニークな「花見論」への挑戦。

目次

第1章 「花見」論へ―「桜」の民俗学を超えて
第2章 外国人が見た花見
第3章 世界に花見はあるか
第4章 花見と近世都市江戸―民衆的日本文化の誕生
第5章 花見の文学
第6章 現代社会と花見
終章 花見の根源を考える―社会人類学・社会心理学的花見論

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

27
万葉集や古今集、江戸時代に訪れた外国人の手記から引いて、いわゆる花見は古代にはなく、江戸時代、それも吉宗が鷹狩りをする際に、狩り場となる近隣に副次的に桜を植えた事が、庶民が集まる場になり、後の「群桜」「群衆」「飲食」を伴う花見に繋がったとか。こういうドンチャン騒ぎを伴う花を愛でる風習は日本特有の、海外には無いそうで。その割に詩歌や小説で、花見はあまり取り上げられないという。「長屋の花見」「頭山」「百年目」など、花見は落語だと馴染みが深いのにね。 願わくは花の下にて春呑まん あと望月の中秋の頃2014/03/05

takahiroyama3

2
江戸の花見を三要素(群桜、飲食、群衆)で定義し、世界の中でも稀有な習慣であることを述べる一冊。また場所について、西欧的な領主の庭園で育まれた文化と対比し、都市と農村の接点に生まれた点を特徴と指摘し、そして群衆には、貴賤の双方が含まれていたことも重要視しています。現代的な言葉で言い換えるなら、日本の花見はインクルーシブな社会形成に資する、アクセスしやすい空間でのイベントということでしょうか。このイベントが、お上から与えられた文化でありつつ、以前からあった庶民文化とも呼応している点も興味深い事実でした。2019/11/23

いぬかいつまき

1
春の風物詩、花見。日本人にとって馴染み深いこの観桜行事の考察を通して「日本人」を語る一冊。 ありふれたサクラ論ではなく花見を題材とした着眼点がまず面白い。史料的制約が厳しく展開に苦しい部分もあり、中盤花見四方山話に脱線しかけるも、花見とは老若男女貴賤を問わず参加できる社会集団的行事だと説く。 著者は花見は「群桜」「飲食」「群集」の三要素が成立条件だと説くが、今年はコロナ禍で著者の定義する「花見」が全否定されたまま桜の時季が終わろうとしている。これを機に今後の花見の、そして日本社会の在り方も考えてみたい。2020/04/19

0
消化不良感。とりあえずお花見したいな。2014/02/27

アツシ

0
桜と日本人という視点では無く、花見と日本人という視点で考察された書籍。花見は群花、群衆、飲食の3つが揃っている事で定義すると、日本人移民の花見を除き、世界中で日本でしか見られないという。 当たり前に思っていることを別な視点で掘り下げる事で、新しい見方ができると言う点で面白く読ませていただきました。2024/03/04

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