出版社内容情報
深刻化する学力低下の原因はどこにあるのか。「お受験」から大学教育にいたるまで、その問題点と改善策を、斯界の両論客が提唱する。 昨年来、日本の学生の学力低下問題がクローズアップされている。受験地獄、教育熱心な親、勤勉な子ども、大学生の基礎学力レベルの高さ等々は、すべて現在では神話になり果てていることも徐々に知られるようになってきた。▼にもかかわらず、「学力低下を何とか食い止めなければならない」という声はまだ十分な力を持っていない。日本の子どもたちは、最も内容の薄い教科書を用いて、最も少ない授業時間で主要科目を学んでいる。そして2002年からは、学習内容三割削減の名の下に、さらに授業時間と教科書内容が削減される。これに対して大きな反対の声が上がらないのはなぜか。▼文部省は「新しい学力観」「個性や創造性を伸ばすゆとり教育」を提唱しているが、それは日本の子どもたち、ひいては日本の将来にとって、本当に幸福な選択なのだろうか。▼学力低下問題の本質がどこにあり、また何をすべきかについて、さまざまな事例とデータをもとに検証・提言する。 ●第1章 「お受験」問題の悲劇はなぜ起こったか ●第2章 「受験、偏差値=悪玉」論を排す ●第3章 文部省に問う??「新しい学力」とはいかなるものか ●第4章 「勉強が個性や創造性を奪う」という嘘八百 ●第5章 子どもが勉強しない国に未来はない
内容説明
詰め込むから数学が嫌いになる?英語は文法よりも会話が大事?学力テストよりも面接を重視すべき?…だから「学力低下」は止まらない!教育崩壊を食い止めるための緊急提言。
目次
第1章 「お受験」問題の悲劇はなぜ起こったか(「お受験」と「早期教育」は分けて考えるべき;「公立にはどうしても行かせたくない」という意識 ほか)
第2章 「受験、偏差値=悪玉」論を排す(「勉強してもしょうがない」という奇妙な言説;学力低下は親の姿勢も関係あり ほか)
第3章 文部省に問う―「新しい学力」とはいかなるものか(「全員が100点満点をとれる」は幻想;誰にもわからない教科をつくるのは危険だ ほか)
第4章 「勉強が個性や創造性を奪う」という嘘八百(論文試験への傾倒は極端;内申書や面接による評価のほうがよほど非人間的 ほか)
第5章 子どもが勉強しない国に未来はない(業務教育で何を身につけさせるべきかははっきりしている;このままでは質のいい労働者が不足してしまう ほか)
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