陸奥宗光とその時代

陸奥宗光とその時代

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  • サイズ B6判/ページ数 483p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784569608167
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0020

出版社内容情報

  明治維新、日清戦争、そして三国干渉……。帝国主義時代の真っ只中に放り出された近代日本の命運を、陸奥宗光の生涯を通じて描き出す。  開国から不平等条約の改正、日清戦争の勝利と下関講和条約、そして三国干渉……。日本は250年にもおよぶ鎖国を経て、帝国主義時代の真っ只中に放り出された。 中国をはじめとするアジア諸国が次々と西洋列強の植民地にされていくなかで唯一独立を守った維新日本は、弱肉強食の帝国主義時代にあって、誰の助けも受けずに独力で近代化を遂げていくのである。 本書では、明治人の「気概」と「戦略」でもって明治日本の生存と尊厳を守り抜いた外交官・陸奥宗光の波乱の生涯を描き出す。 和歌山という朝敵藩出身でありながら、討幕運動に身を投じ、維新後は薩長藩閥と対決し、政府からは自助され投獄された陸奥。しかし、武士敵伝統を持つ彼は、常に国家を考え、日本の近代化に邁進していくのであった。 独立を守り国際化に突き進んだ近代国家への道のりを、近代日本建設のために国家に尽瘁した明治人の生き様を通して描く日本の近代外交史である。  ●第1章 父と子 ●第2章 自得翁 ●第3章 明治維新 ●第4章 鵬翼折る ●第5章 冬の鶯 ●第6章 蛍雪の功 再び ●第7章 蛍雪の功 三たび ●第8章 日本のデモクラシー ●第9章 日本の憲政 ●第10章 議会民主主義の最初の挫折 ほか

内容説明

維新日本は、弱肉強食の帝国主義時代にあって、誰の助けも受けずに独力で近代化を目指した。気概と戦略。明治日本の生存と尊厳を守り抜いた外交官の波乱の生涯。

目次

父と子―爛熟する十八世紀文化
自得翁―江戸時代エリートの思想的遍歴
明治維新―革命と硝煙の時代へ
鵬翼折る―プロシア的軍事国家の出現
冬の鶯―土佐のいごっそうに振りまわされる
蛍雪の功再び―獄中の勉強三昧
蛍雪の功三たび―プロシア的憲法でよいのだろうか?
日本のデモクラシー―近代国家への模索
日本の憲政―世界に誇るサムライ・デモクラシー
議会民主主義の最初の挫折―暴力的な大選挙干渉〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆずこまめ

3
もっと評価されていい人だとは思うが、日清戦争という日本の帝国主義時代の始まりに関わるのでなかなか難しいのだろうか。著者は元々、時には倫理観より国益を優先した判断をする覚悟も必要なのではないかと思われる外交畑の人。だからこその視点もあり、興味深かった。2023/03/23

greenman

1
日本において欧化主義者というのは大抵マイノイティで、インテリ以外の影響力というのは文字で書かれるより低いのだが、陸奥宗光はその中でも異色と言える。その陸奥の生涯を生まれから死までの一生が本書で描かれている。陸奥の教育は多くの幕末生まれのように旧来の漢学や、父親ゆずりの国学から始まり、動乱とともに西洋の知識を吸収していった結果欧化主義者となったが、その精神は単純な欧米賛美で無い所が注目に値する。西欧の深奥を研究し、得た知識・体験・思考が明治期における日本の外交に反映したことが戦前日本外交の基礎を作った。2019/06/14

Splash

1
江戸時代、食うことに困らない武士階級の受けた、いい意味での滅私奉公の教育が、ひたすら前を向き国を富ます方向に動く近代日本人を支えていたことは、新たな発見だった。自分たちが支えなければ、多くの志半ばで逝った同志の思いが果たせない、そんな強い使命感があったのではないか。伊藤博文、陸奥宗光の、コンセンサスを形成するための妥協も、その文脈の延長線上にあったのだろう。2016/01/04

フンフン

0
 著者は、陸奥宗光の従弟の岡崎邦輔の孫のようである。本書には岡崎邦輔の回想録からの引用は多いし、「あとがき」に「祖父の初陣は十六歳の時の鳥羽伏見の戦いである」と書いてあるところから、そのように推測される。  著者は特定の史観にとらわれずに書いたと述べているが、それは「勧善懲悪歴史観」から脱却した史観で描かれているということを意味する。単純に史実を並べただけのスジの通らない平板な記述という意味ではない。幕末から明治の困難な時代に必死に国家の行く末を考え生き抜いた陸奥の生き様が生き生きと描かれている。2014/12/09

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