出版社内容情報
たよりない時代の中で、男はどう生きて行くべきか。中高年世代の迷いと戸惑いを浮き彫りにしながら説き明かす。成熟した男のための人生論。 日本は高齢化社会となり、近未来には、現在の年金制度が破綻をきたすことになると言われている。その一方で、世の中は、新時代に向けて変化すべき時であり、古い世代には早目に引導を渡し、世代交代を多いに促進しなければならないという風潮にある。どちらの流れにも、共通して底流にあるのは、「老人をどうするか」という問題である。引退して悠々自適の人が溢れれば、国家財政が崩れるし、元気に現役に留まれば、“労害”と言われるのである。果たして、老人は、これから先、いかにあるべきなのか。本書は、自らも老人であると自覚する著者が、その同世代人、及びその予備軍に、これからの生き方を示した、中高年世代へのエールである。「人は老いるのではなく、熟して行く。従って老人は、世の中の知者、長者としての誇りを持って生きて行かねばならない」というのが著者の考えの根幹であり、その態度こそがボケ、ヨボヨボを自ら予防すると説く。
内容説明
世の中は“老害”を言い立て、老齢者が枢要な立場で働き続けることを、やみくもに眉をひそめて非難する。問題なのは、まだじゅうぶんに使える、というよりは、いま現役で大きな顔をしている連中よりもはるかに優秀で、奥深い経験知を蔵している人物まで、十把ひとからげに産業廃棄物扱いしていることだ。
目次
取越苦労「老齢化社会」
セッセイについて
プラトニック・ラブの季節
老人だけが持てる勇気
反老害論
銀座で見かける老人
引退の力学
社長切腹要員説
予備校の効用
早熟の宿命〔ほか〕