出版社内容情報
「座禅とは私達の本性を率直に表現することである。」禅仏教の米国普及に貢献した著者が禅の極意を説く、ベストセラー入門書の翻訳版。 二人の鈴木がアメリカにおける禅仏教の普及に偉大なる貢献をした。臨済禅を西欧に広めた鈴木大拙と、曹洞禅をアメリカに根づかせた本書著者、鈴木敏隆である。本書は、1975年に米国で出版され、米国では30数版70万部以上の販売実績のある著者唯一の著書の翻訳版。世界各国語にも翻訳されている。本書では初心を大切にすることがまず第一に強調されている。そして第一部「正しい修行」においては、「座禅の姿勢」「呼吸について」「二元論の否定」「禅の真髄」などが、第二部「正しい態度」では、「禅と興奮」「自分自身を研究する」「不変性」などが、第三部「正しい理解」では、「伝統的な禅精神」「無常」「存在の本質」「空なる状態」「仏陀の悟り」などが説かれている。初めて禅に触れる人のための入門書でありながら、禅の本質にも立ち入っている。著者と、生前の旧知の友であった訳者との、「訳者註」における対決もまた、見物である。
内容説明
戦後、アメリカに禅を普及し今も熱い支持をうけ続ける禅僧の、唯一の著書。旧知の友による、待望の翻訳出版。
目次
プロローグ 初心者の心
第1部 正しい修行
第2部 正しい態度
第3部 正しい理解
エピローグ 禅の心
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yakisoba
4
ジョブスが若い頃に愛読していた鈴木俊隆の著書『zen mind beginner's mind』を再度日本語に翻訳したもの。ただ訳するだけなら良いのだが、各章ごとに訳者の注釈が非常に長く書かれている。しかも場所によっては原文に書かれている根底部分を否定している箇所も多く、翻訳者としての立場を逸脱しすぎている点が滅茶苦茶である。ただ、禅宗で修行している人は自己に厳しい反面、他人にも厳しく当たる傾向があり、例え師匠であっても例外ではなく、禅の世界が下克上的な世界であることが違った側面から見えてくる一冊でもある2012/07/21
の
0
アメリカに禅の教えを広めた禅僧が座禅会で語った法話をまとめた禅入門書。ビギナーズマインドと原題に入っているように、初心を忘れずに学習することが強調され、先入観を無くすのをまず第一としている。座の姿勢にしても、両足を真逆に向けることで左右の感覚を無くし、精神と肉体が一つに収束していきながらも、実際に一つになるわけではない、この感覚が研ぎ澄まされ、日常生活の中での小さな出来事から地天の出来事までを大きな流れの中で理解していくのがポイント。解説者の突っ込みも禅問答にはよくあることなのだろう。2014/07/30
月照彦
0
アメリカで禅を広めた鈴木俊隆の講義をまとめたもので、更に逆輸入的に日本語に翻訳した本。率直に、アメリカ人に禅を英語で教え伝えるというのは、相当至難の業であり、独特な禅語を英語でどう表現するか等、苦労が絶えなかったであろうと察する。しかし訳者の時折言葉づらにとらわれた註釈が残念。もっと言葉の奥にある禅の精神を汲み取るべき配慮があってもいいのではと思う。2013/03/28
cdttdc
0
訳の紀野氏の解説(突っ込み)で文中の説明が訂正されることも多いので、禅を理解しようとすることよりも、まずは姿勢と呼吸に集中して座禅を実践してみないことには分からない。曹洞宗、正法眼蔵はこれから。2012/03/28