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日本の技術レベルはなぜ高いのか―その智恵と精神の歴史をさかのぼる

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  • サイズ 文庫判/ページ数 238p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569578545
  • NDC分類 502.1
  • Cコード C0130

出版社内容情報

なぜ日本は技術立国といわれるのか。現代日本に、今もねづいている日本人の「もの作り」に対する智恵と精神を考察した力作評論。

かつて「メイド・イン・ジャパン」の製品は、「安かろう、悪かろう」と言われた時代があった。しかし、いま「メイド・イン・ジャパン」と言えば、「リーズナブルな価格で、高品質」と同義といってもよいだろう。しかし、かつての「日本製品」が「安いが質が悪い」と言われた時代は、戦後数十年の間だけのことであったというのが、著者の立場である。いや、歴史的に見れば、技術の伝承、工芸品、美術品、建築物としての「もの作り」において、日本は世界的な水準にあったというのが、著者がもっとも訴えたい点なのである。

▼それを支えていた日本人固有の「もの作り」の思想として、著者は、かんざしなどに見られるハイグレード志向、扇子に見られるポータブル志向、旺盛な競争心、手先の器用さ、道具と材料へのこだわりなどを挙げている。

▼技術立国といわれる現代日本に、今も息づく「もの作り」のルーツを探る本書は、読み物としても十分に楽しめる一冊である。

●第1章 日本の技――その実力の回顧 
●第2章 日本の技――そのノウハウを今に伝えているもの 
●第3章 日本のもの作りの実力――そのルーツを探る

内容説明

勤勉で器用で几帳面、高い教育水準に加え、好奇心が強く、創意工夫・品質向上に努力を惜しまぬ国民性…。これらが技術立国ニッポンを築き上げた原動力であったことに間違いはない。しかしこれは戦後に限っての話ではない。歴史をさかのぼれば、江戸の職人の世界、いや伊勢神宮の式年遷宮にまで行き着くという。歴史と風土に培われた日本の「もの作り」のルーツをたどる。

目次

第1章 日本の技―その実力の回顧(ヨーロッパ人が見た日本のもの作り;日本の技の実力が発揮された製品)
第2章 日本の技―そのノウハウを今に伝えているもの(伊勢神宮の式年遷宮;伝統工芸職人の世界)
第3章 日本のもの作りの実力―そのルーツを探る(技術の伝承;ハイグレード品好み;ポータブル志向;“結び付ける”アイデア;旺盛な競争心;手先の器用さ;道具へのこだわり;材料へのこだわり;施行錯誤と“極める”;外界に対する感性;QCと“カイゼン”;“科学の目”の利用;直系家族タイプの家族構造)

著者等紹介

風見明[カザミアキラ]
1939年、栃木県生まれ。1966年、早稲田大学大学院応用物理学科修士課程修了。同年、東京三洋電機(現三洋電機)入社。ユニークな混成集積回路方式として世界的に有名になったIMST(絶縁金属基板技術)の技術開発に携わり、全国発明表彰発明賞、関東地方発明表彰発明協会会長賞等、多数の特許表彰を受ける。IMSTの概要を『ハイブリッドICとその応用』(共著、パワー社)に著す。日本電子機械工業会混成集積回路業務委員会副委員長、SHM調査委員等を務める。法政大学非常勤講師も務める
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