PHP文庫<br> 大人たちの失敗―この国はどこへ行くのだろう?

電子版価格
¥510
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

PHP文庫
大人たちの失敗―この国はどこへ行くのだろう?

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 215p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569578446
  • NDC分類 304
  • Cコード C0130

出版社内容情報

日本の将来を気鋭のジャーナリストが鋭く語る。

方針の定まらぬ教育、崩れゆく親子関係、自浄能力を失った政治、低迷する経済……。日本を「失敗」に導いた者にその責任を問う憂国の書。

本書の「まえがき」で、著者は興味深い例を挙げている。20代の女性6人に、ある課題が記された封筒を持って電車に乗ってもらう。課題とは、目的地の駅にたどり着くまでに化粧をしてほしい、というものだ。6人の女性のうち3人は三世代家族の孫、あとの3人は核家族の娘である。

▼さて、結果は。周囲の目を意識するあまり、孫グループは口紅をひく程度や化粧そのものができない。一方、娘グループは、何のためらいもなく化粧をし続けたというのだ。著者はこの相違を見て、日本人が綿々と築き上げ、紡ぎ、次代につないできた、周囲への配慮、公私の区別といった日本人固有の美徳が、プッツリと途切れてしまっている結果だと指摘する。

▼暴走する子どもたち、家庭の崩壊、金がすべてと考える風潮、頼りにならぬ政治家を選ぶ意識の低さ……、こんな日本にしてしまったのは、すべて「大人の責任」だという。

▼気鋭のジャーナリストが日本再生の方途を問う力作評論。

●第1章 親は子に何を為すべきか 
●第2章 世界の潮流に逆行する日本の教育 
●第3章 高齢化社会と老人介護 
●第4章 「環境」は私たち自身の問題だ 
●第5章 憲法を考える 
●第6章 隣国に物が言えない日本政府 
●第7章 若者たちへ、仕事とは何か 
●第8章 深さ1インチの新聞報道 
●第9章 日本人の忘れもの

内容説明

お金や物は、人間の心を豊かにする手段である。しかし、いつしかお金や物を多く持つことが、多くの日本人の目的になってしまった。そんな価値観に染まり、心を置き忘れて育った子どもや若者たちに、その責任を追及しても、それはお門違いというものだ。彼らを夢のない、心なき人間に育ててしまった責任は、親、大人以外にない。これを失敗と言わずして何と言うのか。日本再生の方途を問う力作評論。

目次

第1章 親は子に何を為すべきか
第2章 世界の潮流に逆行する日本の教育
第3章 高齢化社会と老人介護
第4章 「環境」は私たち自身の問題だ
第5章 憲法を考える
第6章 隣国に物が言えない日本政府
第7章 若者たちへ、仕事とは何か
第8章 深さ一インチの新聞報道
第9章 日本人の忘れもの

著者等紹介

桜井よしこ[サクライヨシコ]
ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業後、「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務を経て、1980年から16年間にわたり日本テレビ系のニュースキャスターを務める。現在、もっとも注目されるジャーナリストとして活躍中。なかでも『エイズ犯罪・血友病患者の悲劇』(中央公論新社、94年大宅壮一ノンフィクション賞受賞)は、薬害エイズ問題の真相に迫る力作。98年、『日本の危機』(新潮社)及び一連の言論活動で第46回菊池寛賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kikuyo

14
再読。 お金や経済だけがすべてか? 何のため勉強するのか。 知的能力の重要性。 環境に配慮するための行動。 様々な問に対する 著者の意見はどれもまっとうで頷くばかりだ。このような感覚を持った方がいるということに何やら安堵感もある。2016/04/03

たま子

6
日本の教育の低下、憲法や隣国との問題、介護や環境問題など、様々な分野における著者の考えが述べられていた。一貫してぶれない考えで、読んでいて頷ける部分が多かった。20年近く前に書かれた本だが、憲法改正や拉致、尖閣諸島問題などほとんど進展がない状態で、日本は本当に大丈夫なのだろうかと感じた。2020/07/24

だいすけ

4
自分と自分の子供の安寧と豊かさが保証されれば、その他のことについてはほとんど考えないのは、先輩世代に対してフェアではない。生命の平等とは別次元の、教える者と教わる者の縦関係が厳然としてある。一番厳しく見つめるべきは自分自身であって、周りの事ではない。耳が痛すぎることもあるけれど、本当にその通りだと思う。2021/02/13

Masa

3
大阪空港の書店で購入。読んでみて驚きました。なるほどなぁ、納得しながら読んでいたんですが13年も前に書かれた本だったのですね。平積みで売っていたので新刊だと思っていたのです。13年前の日本の批判、提言が今現在のものかと見紛う程に日本には進歩が無いのかと思うと暗くなりますが、2020年の東京オリンピック誘致成功を起爆剤に少しでも良い方向に転換してくれたらと願う次第です。とても良い本でした。2013/09/09

chiezow

3
なかなか過激なこともを仰る櫻井さんですが、主張は一貫しているので気持ちいいです。軸を持つことの重要性を学ばされます。2012/03/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/399742
  • ご注意事項