出版社内容情報
満洲事変を画策した陸軍参謀の行動を描く力作。
「世界最終戦論」など独自の理論を展開し、満洲国建国のシナリオを描いた陸軍参謀の、信念ある行動と生き方を満洲事変を中心に描く。
「世界最終戦」論や「東亜連盟」構想など独自の理論で、満洲国建国のシナリオを描いた関東軍参謀・石原莞爾。本書は彼の生涯を描く長編小説である。
▼来るべき次の戦争は世界最後の大戦争である。西欧文明の中心は米国に移り、日本は東洋文明の中心となって、日米間で殲滅戦争が行われるであろう。したがって、満蒙に独立国家を建設し、満蒙を『五族協和』『王道楽土』の地にすることは、東亜の民族が一丸となりこの世界最終戦争に備えるためである――これが石原の満洲国建国の目的であった。石原は関東軍司令官本庄繁や参謀板垣征四郎を動かし、なんとか建国にこぎ着ける。だが軍部はそこに止まらなかった。満洲を足がかりにさらなる拡大を目指したのである。不拡大を唱える石原は、強硬派の東條英機と対立。彼は抑えのきかなくなった陸軍に絶望し、やがて自ら予備役を志願するのであった。
▼型破りな天才的軍人の闘いの日々を、満洲事変を中心に活写する力作。
●第1章 満洲事変前夜
●第2章 柳条湖事件
●第3章 越境将軍
●第4章 錦州爆撃
●第5章 チチハル攻撃
●第6章 錦州占領
●第7章 満洲建国
内容説明
「世界最終戦」論、「東亜連盟」構想など独自の理論を展開し、満洲国建国のシナリオを描いた関東軍参謀・石原莞爾。建国後、不拡大を唱える彼は、強硬派の東条英機と対立。民族協和、王道楽土をめざした満洲国も石原の理想からは隔絶の状況となり、やがて彼自身予備役となって第一線を退いた。毒舌家で型破りな天才的軍人・石原中将の波乱の生涯を、満洲事変を中心に描く力作。
著者等紹介
楠木誠一郎[クスノキセイイチロウ]
1960年福岡県生まれ。1982年日本大学法学部卒業後、出版社に勤務。歴史雑誌編集にたずさわる。1996年『十二階の柩』(講談社)で小説デビュー。1999年から専業作家に。『名探偵夏目漱石の事件簿』(広済堂出版)で第8回日本文芸家クラブ大賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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