出版社内容情報
無為自然を説いた『老子』の深遠な思想世界。
無為自然・柔弱謙下を説き、しなやかでしたたかな処世の知恵を語る『老子』。原文を忠実に読み解きつつ、老子の深遠な思想世界を探究。
「大器晩成」「上善は水の如し」「和光同塵」「怨みに報いるに徳を以ってす」――日本人に親しみ深いこれらの金言・警句は、みな『老子』が出典である。二千数百年もの昔に著され、わずか五千余字からなる書物の言葉が、なぜ日本人の生き方・考え方に深い影響を与えたのか。本書は、『老子』をめぐる基礎知識の解説と、全文の訳注を完備した、その独特の思想世界を理解する上での格好の入門書である。
▼戦乱の古代中国にあって深遠な「道」の思想を説き、「無為自然」を治世や処世の根幹とした『老子』は、争いに満ちた現代を生きる上でも多くの示唆を与えてくれる。本書ではとくに、近年中国で出土した帛書や竹簡による慎重な校訂を経て、老子本来の主張は何であったかに迫っている。著者の緻密な考証には、あたかも謎解きを愉しむかのような醍醐味すらある。人生を考える書としてのみならず、知的好奇心を刺激する読み物としてもおすすめしたい。文庫書き下ろし。
[第1部]『老子』を読むための基礎知識
●序 『老子』とはどのような書物なのか
●乱世に警鐘を鳴らす老子
●処世訓と政治論
●「道」の思想――大自然のあり方を人の道とせよ
●老子が考える「徳」と聖人
●謎の著者・老子の実像
●いま、なぜ『老子』を読み直すのか
[第2部]新訳『老子』
●上篇 道経
●下篇 徳経
内容説明
戦乱の古代中国にあって深遠な「道」の思想を説き、「無為自然」を治世や処世の根幹とした老子。その哲学を五千余字で記述した『老子』は、様々な金言・警句の出典となり、日本人の思想にも多大な影響を及ぼした。本書は、古来読み継がれてきた『老子』のテキストを、近年出土した帛書や竹簡をもとに校訂。訳文や解説に新解釈を取り入れ、その思想世界をわかりやすく紹介する。
目次
第1部 『老子』を読むための基礎知識(『老子』とはどのような書物なのか;乱世に警鐘を鳴らす老子;処世訓と政治論;「道」の思想―大自然のあり方を人の道とせよ;老子が考える「徳」と聖人;謎の著者・老子の実像;いま、なぜ『老子』を読み直すのか)
第2部 新訳『老子』(道経;徳経)
著者等紹介
楠山春樹[クスヤマハルキ]
1922年、東京都に生まれる。1943年、早稲田大学文学部東洋哲学科卒業。1962年、講師・助教授を経て早稲田大学教授。現在、早稲田大学名誉教授。文学博士
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