出版社内容情報
下克上の主役を演じた武将の波乱万丈の生涯。
秀でた知性と処世の術で、主家三好家を乗っ取り、京の支配者までのし上がった松永久秀。下剋上の主役を演じた武将の波乱の生涯を描く。
戦国の梟雄と称される松永久秀。織田信長上洛前の京の実質上の支配者であった彼は、主家・三好家を乗っ取り、第十三代将軍・足利義輝を弑逆、さらには東大寺放火と、その非道な行動から悪人のレッテルを貼られてきた人物である。だが、かつて同じく梟雄と称された斎藤道三や信長が、一方で優れた先見力を持ち、時代の先駆者として近年再評価著しいように、久秀もまた、少なからずその面を持ち合わせている。本書は、彼の評価を人間的な史観から問い直す力作である。
▼京の東寺を縄張りとする浮浪の少年であった久秀は、ひょんな経緯から三好家と縁の深い隆法院の寺男となり、さらに離宮八幡の荏胡麻買いの人夫に。この時期に培った視野の広さ、兵学、そして処世の術をもって、後に三好長慶に仕え、次第に能力を発揮していくのである。何の後ろ盾もなく、自らの力のみを信じて乱世を疾駆した男の心情と、下剋上そのものの波瀾の生涯を見事に描出する長編小説。
●京の風
●玄猿
●阿波の鵬
●走狗
●月の落とし子
●大和侵入
●天上の館
●理由なきにあらず
●大仏炎上
●鷹とキジ
●鳥羽の宿
●ほうき星
●関係年表
内容説明
主家の乗っ取り、将軍弑逆、東大寺放火など、その非道な行動から戦国の梟雄と称される松永久秀。だが、浮浪の身から京の支配者にまで伸し上がった彼の評価を、本書は人間的な史観から問い直す。若き日、京の実力者であった三好元長に取り立てられたことに始まる、下剋上そのものの人生。何の後ろ盾もなく、自ら培った教養と処世の術で、乱世を疾駆した久秀の心情を見事に描出する力作長編。
著者等紹介
黒部亨[クロベトオル]
1929年、鳥取県生まれ。日本文芸家協会会員。主な著書に、『遠い海鳴りの日』『白鷺の城』『播磨妖刀伝』『荒木村重惜命記』『幻にて候』(以上、講談社)、『流香譚』(日本経済新聞社)、『兵庫県人』(新人物往来社)、『明石桜』『兵庫人国記』『戦国の武将たち』『騒動の主役たち』『高田屋嘉兵衛』(以上、神戸新聞総合出版センター)、『後藤又兵衛』『荒木村重』(以上、PHP研究所)などがある
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感想・レビュー
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