出版社内容情報
徳川三代に剣と兵法で仕えた男の波乱の生涯。 諸国放浪の末、徳川家康に出仕。精妙な剣技で数々の合戦で活躍し、秀忠・家光の剣術指南として大名にも列した柳生宗矩の波乱の生涯。 隠密などの陰の組織を率いて、徳川幕府の裏の仕事を担ったという小説的なイメージで語られることが多い柳生宗矩。しかし、その実像はあまり知られていない。 一つのエピソードがある。島原の乱を甘くみた将軍家光が任命した征討使が役不足とみるや、連れ戻そうと単騎追いかけ、間に合わないと夜半にもかかわらず登城して家光に激しく諫言した。果たせるかな征討使は戦死し、乱は泥沼化していく。 将軍の決定をくつがえそうと諫言するなど、絶大なる信頼を得ていたからこそできることであろう。また、優れた洞察力・先見性をも物語る。 本書は、これらの視点から、無刀取りなど柳生新陰流の奥義を窮めながら、家康・秀忠・家光の徳川三代に仕えて幕府創成に一身をささげた宗矩の波瀾の生涯を描く長編歴史小説。 「柳生の剣は殺人の剣に非ず。一剣の理を以て天下の和平を目指すものなり」と宗矩は唱えた。剣の道の究極に、治世の奥義をも見たといえるだろう。 ●第1章 無刀取り ●第2章 関ヶ原合戦 ●第3章 将軍家指南役 ●第4章 大坂の陣 ●第5章 二蓋笠 ●第6章 三代目 ●第7章 真剣白刃とり ●第8章 惣目付 ●終章 栄達
内容説明
「柳生の剣は、殺人の剣ではなく和平の剣。一剣の理をもって天下の太平を目指すものなり」―家康、秀忠、家光の徳川三代にわたり、将軍家兵法指南役として仕えた柳生宗矩。無刀取りなど、柳生新陰流の祖である父柳生石舟斎も達しえなかったの剣の奥義を窮めながら、将軍家の陰の参謀として幕府創成に一身をささげた。その波瀾の生涯を著者独自の視点で描き出した歴史長篇。
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