出版社内容情報
徳川三代将軍の波瀾に富んだ生涯を描く。 武家諸法度、鎖国政策、参勤交代などにより幕藩体制の確立と強化を実現した三代将軍の、波瀾に富んだ生涯を描く、長編歴史小説。 徳川三代の政治顧問であった天海大僧正が、「徳川家康公は万事に通じており、何事をたずねても滞るところがなかった。秀忠公は資質が温和柔順だったので、同様であった。しかし、家光公は、極めて聡明であり、武勇にすぐれていた」??と評している。天海があえて、家光だけを聡明英武と称えているのは、家光の中に底知れぬ叡智を見出していたからではなかろうか……と、著者は言う。その通り、家康、秀忠が苦労して創って来た徳川幕府の土台は、後を継いだ、三代将軍・家光によって、盤石なものとなった。彼は、柔軟な思考力を持ち、物事の善悪をよく見極め、それを自分の中で十分に咀嚼し、善しとしたことだけを用いた。それでこそ、心もとなかった幕政を上手に熟させることができたのである。また“生まれながらの将軍”として、強気の姿勢で世に処したのも、その治の特徴であった。戦乱の残り火を吹き消し、泰平の道を拓いたリーダー像を描く長編歴史小説。 ●竹千代誕生 ●両親と乳母の愛 ●天下人の資質 ●大権現と竹千代 ●三代将軍に就任 ●公武一和の絆 ●血の濃淡 ●紫衣の勅許事件 ●大名統制と粛清 ●戦国脱皮と自立 ●名将軍と賢臣 ●家光と沢庵和尚 ●鎖国と島原の乱 ●異母弟と世嗣 ●逝く者と残る者
内容説明
家康、秀忠が苦労して創って来た徳川幕府の礎は、後を継いだ三代将軍・家光によって、盤石なものとなった。彼は、柔軟な思考力を持ち、物事の善悪をよく見極め、それを自分の中で十分に咀嚼し、善しとしたことだけを用いた。それでこそ、心もとなかった幕政を上手に熟させることができたものである。戦乱の世の残り火を消し、泰平の世への道を拓いた男の生涯を描き上げる長編歴史小説。