出版社内容情報
知的好奇心を刺激する、モノとヒトのいい話。 古今東西の“雑学”にくまなく通じた筆者が、雑書乱読の日々の中で見つけたモノとヒトのいい話を紹介した、遊び心あふれるエッセイ集。 学問にしても趣味や遊びにしても、本当に面白くなるのは基本や概論をひととおりマスターし、ディティールを愉しむ余裕が出てきてから。江戸文学の研究者として長年雑書を読みあさり、骨董屋をめぐってきた筆者は、今や世界中のヒト・モノ・コトに「こだわり」を持つ趣味人中の趣味人。アメリカのアンティーク・ショップで見つけた1930年代のカクテルシェーカーを愛用し、江戸時代の医者が遣った薬を調合する匙（さじ）を集め、石川啄木の日記に森鴎外の意外な素顔を見つけてニンマリする。≪「つまらぬこと」に気を取られのも案外正解なのかもしれない≫とは、筆者の至言。 仕事や家庭をはなれ、大好きなモノを愛玩し、大好きな書物を味読するひとときは、ちょっと優雅な大人の時間。そんな自分だけの世界を持ち、みずみずしい好奇心のアンテナを張りめぐらせて暮らすことの愉しみを、“遊び心”と“茶目っ気”たっぷりにつづった知性あふれるエッセイ集。 ［第1章］晴耕雨読 ●ファミリー・トラディッション ●カクテル・シェーカー ほか ［第2章］宴会哲学 ●“通”の道 ●森鴎外、思わぬ所業 ほか ［第3章］贋作の人 ●産気づく男 ●小児的矮小貧弱 ほか ［第4章］人間心理 ●忌み言葉 ●嫌われる花 ほか
