出版社内容情報
魅力あふれる提督の清冽な人生を描き上げる。 最後の司令長官として、連合艦隊の幕引きを演じた、小澤治三郎。知略と闘争心そして情にあふれた提督の清冽な生涯を描く長編歴史小説。 わが国において、かつての敵から名将とたたえられた人物は少なくない。ミッドウェー海戦に散った勇将・山口多聞、ルンガ沖夜戦の勝者となった田中頼三、陸軍の「小猿を抱いた将軍」宮崎繁三郎……。そうした中でも、抜きんでて高い評価を受けているのが、本書の主人公、「最後の連合艦隊司令長官」小澤治三郎である。空母機動部隊の必要をいち早く先見したその洞察力、不利な戦局下での逆転をねらった「アウトレンジ戦法」の考案に表れる企画力、いかなる情況でも諦めないその闘志など特筆すべき履歴は数多い。この小澤というきわめて魅力的な人物の生涯を、もっぱら精神的側面に重点をおいてアプローチし、今までの小澤伝にない、新たな魅力を発掘したのが、本書の特色である。特に戦後、生き残った指揮官として、自らの責任を受け止めながら生きてゆく彼の姿には、誰もが人間としての美しさを感じるであろう。単なる戦記を越えた読みごたえある伝記小説である。
内容説明
太平洋戦争に敗れた後、いっさいその口を閉ざし、わずかな収入で清貧の中に生涯を終えた、最後の連合艦隊司令長官・小沢治三郎。それが「果断・寡黙にして情ある男」として人望を集めた彼の、戦争に対する責任のとり方だった―。本書は、魅力ある人間像を追い続ける著者が、一提督の精神的側面に焦点を絞りながら“男の出処進退”を問う、長編伝記小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
路地裏のオヤジ
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彼が真珠湾攻撃やミッドウエー海戦などで機動部隊を率いていれば、その後、あのような惨めな負け方をせず、停戦に持ち込めたかもしれない。歴史にifはタブーだが、残念でならない。いつの時代も適材適所がなされなければ、その後に挽回不可能なことになることを肝に銘じなければならない。2014/10/11
霜村
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最後の連合艦隊長官、小澤治三郎の評伝です。 もっとたくさんの人物が出てきて、人間関係を把握するのに時間がかかると思ったのですが、とても読みやすく、徐々に彼の人柄に吸い込まれていってしまうようでした。 2014/04/23
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