出版社内容情報
戦国の世を生き抜き、細川の栄華を築いた男。 室町幕府の没落、信長の盛衰、秀吉の一代天下……常に歴史の敗者の側近という立場にいながら生き残り、細川家の栄華を築いた男。 細川幽斎という武将を形容する言葉にはさまざまなものがある。たとえば「歌人武将」「戦国有数の教養人」「足利将軍と対当にわたりあえる人物」……いずれも幽斎という人物は文化人としての側面が際立っているように思える。しかし実際の幽斎は決して政治や戦争と無関係な人ではなかった。時には術策も敢えて弄し、自ら刀を振るって戦陣を駆け巡りもしたのである。 幽斎はその後栄華を築く細川家の祖である。戦国乱世をしたたかに生き延び、最終的に成功を手にした男が政治に無頓着なはずはない。逆に高度な政治感覚としたたかな出処進退があったからこそ、目まぐるしく支配者の変わる時代を生き延びたのである。幽斎は室町将軍、信長、秀吉、家康と、常に歴史の中心人物の側近であった。そして家康は別として、幾度となく主人の滅亡を目の当たりにしてきた。お家の存続のためにはどうすればよいか。それを幽斎は学んだだろう。それが細川家の栄光に結実した。
内容説明
主人・信長の横死というきわどい政治状況のなかで、幽斎は連歌という文化的行動によってみごと保身をやってのけた。「なんとかあの男の心を獲ってみたい」秀吉は熱烈にそう思うのだった…。室町将軍、信長、秀吉、家康と、常に歴史の中心人物の側近であり続けた幽斎。その類い稀な教養としたたかな出処進退によって乱世を生き抜き、細川家の栄華を勝ち取った男の生涯。
感想・レビュー
-
- 和書
- 兵諌