出版社内容情報
現代のいじめは、戦後民主主義と平和至上主義のひずみの表われなのか。戦う精神を失ってしまった日本人の問題点に鋭く迫った対論集。
内容説明
一人の少年が、いじめを苦にして自殺した。遺書には、「いじめた子どもを責めないで欲しい、すべては自分が悪いからこうなった」と記されていた。「すべては自分が悪い」と書き遺された言葉には、戦後日本の歪みが見え隠れする。なぜ「自尊心のために戦う尊さ」をも失ってしまったのか。口先の平和主義、そして悪平等主義に覆われた教育界にメスを入れ、日本人の精神構造に鋭く迫った対論集。
目次
第1部 「戦後の日本」と「いじめの構造」(「平和」と「平等」と「いじめ」;「権威の喪失」と「隠された妬み」;いじめを克服するために何が必要か)
第2部 「妬み」と「戦う精神」(妬みと聖書;戦う精神と戦後の日本;神戸少年殺人事件に思う)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
31
いじめを克服するための一つの方法として英国元首相のデズレリーをあげ、喧嘩に強くなれと。しかしイジメる側は強き相手と組まない。つまり絶えず弱きものを見つけ虐める。ゆえにいじめは無くならない。この本の元となった94年の愛知県西尾市のいじめ自殺事件が物語っているように、親もしくは友達とのコネクションがあれば自殺はなかったかもしれない。繋がりと新しい教育。2019/06/21
べとりん
0
渡部昇一のいじめに対する理解の無さや論理性の低い議論展開などは気になるが、それでも一つの見方として参考にはなった。 「妬み」の存在を無視してはならない、という土居の指摘は最もである。2015/12/24
しょ
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妬まれるほうがわるい、加害者被害者とも妬みに気付かない、という日本の風潮を指摘。確かに、妬むほうが恥知らずであり、妬まれた側も自信と誇りを持って立ち向かう…という意識の人なら違う結果になっただろうなあ。2011/04/12
しょ
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本棚整理で処分前に読む。既読だったか。前半の時代錯誤感がすごい。男子中学生が女性教員に教わる構図自体に難ありという口調。性別の影響がまったく皆無ということではなかろうが、大正生まれと昭和一桁生まれの2人の男性による文なのでかなり偏りが見られた。エンビィーとジェラシーの違いは面白く読む。当人たちの解説とはずれるが、個人的に、甘えとされるジェラシーは己も受けるべき恩恵が得られないときのやきもちや正当性の訴え、エンビィーは己が受けられない恩恵を見て敵意や悪意を持つという印象だった。2025/01/14
うすい
0
⚫️2024/02/19