出版社内容情報
戦争謝罪、環境保護、国際援助……。“自称ヒューマニスト”が横行する世の欺瞞を、ちょっと“ワル”になって見つめたエッセイ集。
内容説明
平等の名のもとに能力の差に目をつむることが、果して本当の正義なのだろうか?男女の能力の差、人種の能力の差を真摯に見つめ、ときにその違いを認めることこそ本当の「優しさ」なのではないだろうか?自称「ヒューマニスト」が横行する世の中の、何と息苦しく薄っぺらなことか!そんな世の中をちょっと「ワル」になって見つめれば、真実が見えてくる。読者待望のエッセイ集。
目次
ヒューマニスト勲章
荒野をさまよう
代理謝罪
身を捨つるほどの祖国はなしや?
サル並み?サル以下?
スポーツの犠牲者たち
死ぬほど嬉しかったこと
霊廟・マッキンリー
赤ちゃんのつき秘書
病醜のダミアン〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロ子
1
「日本よりもっともっと政治が無能で官吏が堕落しており、国民が動物並みの貧しい暮らしを強いられている祖国でも、人々は素朴にそれが「身を捨つる」に値する国家だと感じている場合は多い。~中略~そのような無能な国家を、貧しい村を、悲しい自分の家族をひたすら守るために、人々は死ぬこともある。それを「身捨つるほどの祖国はありや」などということは、大きな思い上がりだろう」 新型コロナウイルスが蔓延している昨今、嘘つきな政治家がその上無能だとは救いようがない。そんな思いが去来するとき、曽野綾子のこの言葉をよく思い出す。2020/04/14
寿里子
1
20年前のエッセイなので時事的には古いが、言っている論点は非常にごもっとも!とうなづくことしばしば。いつもながら気持ちスッキリ。2013/10/28
やまちゃん0
1
何と言い表したら良いのか分からないが、タイトルとは裏腹に、とにかく爽快・痛快な感じです。2011/05/18
マーシュランド
0
曽野さんのエッセイは3冊目。アパルトヘイト許容報道とタイトルに惹かれ、借りました。▼戦前生まれの方の言い回しは勉強になります。読みながら、労る・乃至の読み方、澎湃・屠る・奥津城の意味を調べました。▼改めて、日本は特殊な文化、価値観を持つことを確認できました。南ア等についての記述もあり、曽野さんの考え方がよく分かりました。▼[背と腹の関係]で、「切羽詰まれば、普通の人間は何でもやる。飢えるようになれば、かっぱらいでも喧嘩でも盗みでも人殺しでも平気になる。」は再確認させられました。2015/02/20