出版社内容情報
竹中半兵衛と並び、秀吉の名軍師といわれた黒田官兵衛。類い稀な知謀と人望を武器に、陰で天下を操った男の生涯を描く長編歴史小説。
内容説明
官兵衛が荒木村重のいる有岡城に入ったまま出てこない、と聞いた信長は、裏切られたと思い、直ちに「官兵衛の子、松寿丸を殺せ」と秀吉に命令した。しかし官兵衛を信じる秀吉は竹中半兵衛と謀り、秘密裡に松寿丸をかくまうのだった―。秀吉の信任厚く、天下統一に向かって縦横無尽の活躍をした黒田官兵衛。敵将からもその人徳を称えられた名軍師の生涯を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
51
蜂須賀小六とか細川忠興を読んだ時にもうこの人の本は読まないつもりだったのになぜか性懲りも無く(:-P)また読んでしまった。超・基礎編。大河ドラマの予習復習ぐらいにはなるかもね。2014/11/01
イプシロン
24
小説(Novel)とは、叙事(Story)、叙景(Scene)、叙情(Lyrical)の三つを組み合わせたものである。とするなら、本作は叙事性の強い作品といえる。史実をありのままに伝えようとしているのである。しかし、そのために頻繁かつ繰り返し地名や人名が出てきて、読みにくいこと夥しかった。他方で、著者がもともと児童文学出身だからか、叙情的な描写も巧みだと感じた。ちょっとした会話文に、心を鷲掴みにされたからだ。「さても、天下に一番多いものは何か?(中略) それは人じゃ……。では、天下に一番少ないものは2023/07/04
James Hayashi
18
先日読んだ「播磨灘物語」の復習を兼ね読んだ。2016/07/17
m
10
最近戦国時代にはまっている。2014年の大河ドラマ「軍師官兵衛」を思い出しつつ読んだ。やっぱり官兵衛って傑出した人物だったんだなぁ。家臣との接し方、外交、戦の進め方に長けている。こんな頼もしい主君だったらどこまでもついていける気がする。毛利も家臣を大切にする家柄と知り、好感を持った。ただ、秀秋を養子に迎えた小早川隆景がかわいそう。秀吉に関する知識が増える度、好感度が下がる。立花宗茂や伊達政宗に関する本も読んでいたので、ちらっと登場していて嬉しかった。次は細川忠興と高山右近が気になる。2015/10/21
MIKETOM
9
この期に及んで黒官もないだろうとも思うのだが、この人は作者ごとに書かれる人間像が様々なのでそれも一興と思って読んだ。本書の中の黒官は人格者でヒューマニスト。部下思い領民思いで戦争屋のくせに流血が嫌い。敵の戦意を喪失させて降伏させるというのが得意技。各諸侯にも慕われていた、てな人物。こんな人間はそうそういないよ。だから作者は、本能寺の変の直後に秀吉に「今こそ天下を取るチャンス」と囁いたことや、関ケ原の時に九州を破竹の勢いで制覇しつつあったことなどに関してつじつま合わせに若干苦労している。この辺は→2024/07/25