内容説明
宿敵・諸葛孔明を倒し、王朝“晋”の礎を築き上げた屈指の軍略家・司馬仲達。人に恨まれてでも勝利をつかみ取る非情なる寝業師ぶりから、あまり人気もなく悪役視されてきたが、最終的に人生の覇者となったその生き様には、現代に生きる我々にも通じる重要な行動哲学を見ることができる。目的完遂のためには手段を選ばなかったこの男の人間像から、混迷の時代を制する者の条件を問う。
目次
序章 司馬仲達をとりあげる理由
第1章 司馬仲達・その波瀾万丈の生涯
第2章 自分の生き方を切り開いた哲学
第3章 最後に勝利をつかみとった戦略
第4章 「修羅場」を勝ち残った人間学
第5章 司馬仲達から何を学ぶか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くろまによん
4
司馬懿のみを取り上げたマニアックな一冊。三国志で最後に勝ったのは?と問われて答えられない人は意外と多いんじゃない? その答えが司馬懿が基礎を作った晋。フィクションじゃ蜀の人物に比べて地味かもしれないが、天下随一の軍事的才能と時勢を読む力を持ち、極めて冷徹に、戦略的に生き抜いた人物。結局フィクションで持ち上げられた諸葛亮も最後まで司馬懿を倒せなかった。それくらいすごい人。特に贔屓の人間を作らず、是々非々。敵に対しては一切情け容赦しない。降伏の申し出を拒否して戦い、勝って皆殺しにするとか。2021/08/01