出版社内容情報
『三国志』の中で、天才軍師として華々しく登場する諸葛孔明。ライバル仲達とは本当に戦ったのか? などフィクションを取り除き、真実の生涯に迫る著者会心の力作!
内容説明
「三国志」のヒーロー諸葛孔明。きわだった個人的武力を持たない彼が、鬼をもあざむく知略を武器に寡兵をもって大軍を打ち破る。このドラマにこそ庶民は喝釆を送るのだが…。本書で語るように本物の孔明は小説ほど成功してはいなかった。けれども、真実の孔明の生涯は一人の精廉な男の人生として、新たな感動を放つ。孤高の天才軍師の足跡をたどる力作評伝。
目次
第1部 諸葛孔明―その軍略と政治手腕(泣いて馬謖を斬る;ライバル仲達と対決す;五丈原に死す;幻に終わった戦略構想;不利を転じた名釆配;「赤壁の戦い」の虚と実;心を攻むるを上となす;治世は大徳を以ってし、小恵を以ってせず;政治家・孔明の基本理念;人材は「能力」か「人柄」か;「三顧の礼」の実際;人生は「志」なり;リーダーの心構え)
第2部 五十四年の軌跡(好んで梁父吟を為す;「鞠躬尽力」の果て)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
47
諸葛孔明といえば、どうしても物語『三国志演技』の孔明をイメージしてしまう。たぶんに虚構を交えた稀代の天才軍師・悲劇のヒーローというイメージだ。本書は、虚構の諸葛孔明ではなく、実像の孔明の紹介をテーマにした1冊。実像の孔明は、きわめて堅実の人であったらしい。でも、孔明といえば星落五丈原! 死せる孔明、生ける仲達を走らす―― 判官贔屓な自分にとって、出陣前に劉禅に出した『出師表』は、涙涙の嵐です――2015/11/12
まご
2
諸葛孔明の軌跡を中心に、書かれているが、三国志全体の流れが、わかり易く書かれている。 諸葛孔明の実像が、理論的に述べられており、納得がいく。おすすめです。 2015/03/01
猫之助
1
特に知られている話から装飾をそぎ落として、三国志初心者である私でも分かりやすいように、実際の孔明が行ったことを解説されています。孔明の掲げたモットーや行った政治が、今でも通じるところがあって勉強になり、多くのことが作られたことであっても、凄い人であったことは変わりないなと感じました。 個人的に、超人のような孔明よりも、失敗があってもすごく真面目な孔明の方が好き2010/01/03