出版社内容情報
秀吉亡き後、誰が天下を治めるのか?野望に燃える若き幸村。大坂夏の陣での死を迎えるまで、家康を苦しめ続けた智将の生涯を、生き生きと描き出した長編歴史小説。
内容説明
群雄割拠する戦国の乱世にあって、幾度かの人質生活、兄・信幸との対立、屈辱的な蟄居時代など、様々な苦渋を味わいながらも、天下取りの機を探り、大望を賭けた大坂夏の陣で散った名戦術家・真田幸村の生涯を綴る長編歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
26
先日読んだ真田十勇士が面白くなかったので読み直し。こちらは幸村の半生を描いており、読みやすさといい、設定やストーリーもよく興味深い。「太閤記」と「城塞」の間をつなぐ司馬氏の作品を知らないので、この作品は繋ぎとして参考になった点も良かった。血を分けた兄をも敵に回し、家康に「日本一のつわもの」と言われた幸村であるが、戦国の生き様を見せつけられた。幸村の場合、天下取りよりも打倒家康の意気が強かったようだ。2016/07/11
イプシロン
22
可もなく不可もなく真田幸村を描いた時代小説。第一次上田合戦の直前からはじまり、幸村の討死で幕を閉じる。講談で有名な真田十勇士の面々を物語に織り込んだり、史実に拘りすぎずに人と人の出会いを劇的に描いていく筆力には、なかなかのものがある。だがここは、史実を知りたい向きには違和感を抱かせるだろう(嫡男の大助が生まれたのは九度山のはずでは? とか、兄・信之の妻になった小松姫と幸村の間にそんなことあったの? とか……)。しかし、個人的には、こういうロマンティックな脚色はあってもいいと思う。それが時代小説なのだから。2023/07/01
MIKETOM
8
通常この手の本は武将の名前をドーンとタイトルに据えておきながら、結局は歴史をなぞるだけってな作品も多い。しかし本書はまずまず幸村のことを書いているのでそこはよかった。戦国時代最強のヒーローにして最高のアイドル真田幸村。この人がいなかったら戦国時代もイマイチ精彩に欠いたかも。ただまあ、関ケ原&大坂の陣がメインになるのは当然なんだけど、ラストオブラストの家康を追いかけまわすシーンが欠落しているのは超ガッカリ。画竜点睛を欠いている。そこは創作でもいいから描いて欲しかった。そして、もう少し濃密に書いて欲しかった。2020/12/27
Tomoichi
8
真田幸村を主人公にした歴史エンターテイメント。暇つぶし用ですね。古本でよかった。2015/11/06
咲
7
このゴールデンウイークに大阪天王寺公園で、真田幸村博というのがありました。なんか、思っていたのと違っていたけど(戦国武将のコスプレの方達がいっぱい)それでも楽しめました。それがこの本を読むきっかけになりました。幸村の父親、昌幸もすごいですね2014/05/21