内容説明
「悟り」とは一つの神秘体験である。マンダラが描く、その未知なる世界への旅は、どのようにして可能なのだろうか?人間の深層心理には、自己と他者、善と悪などの対立を超える、全体的なものへの志向がひそんでいる。本書はその「全体性」を手がかりに、仏教とユングという異なる二つの思想を比較分析する。健全な自我を持たない「仮面人間」である現代日本人に、自らの内的世界に目覚め、新しい意識を創造することを呼びかける一冊。
目次
1 仏教と精神分析―ユング心理学の視点から
2 マンダラの世界―内なる宇宙の存在
3 解脱の思想―唯識・如来蔵の解明
4 ヘルメス思想の流れ―グノーシス主義と錬金術
5 悟りの体験―エクスタシーの分析
6 無意識的現代―仮面をかぶった人間
エピローグ 新しい意識の誕生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ジョニジョニ
9
なんか難しい人なんだろうな、という印象です。仏教や禅と、ユングやグノーシス主義との共通点を書こうとしているのに、最終章では、華やかな世界への憧れをいつまでも追い続ける人に、「そんな向上心は鬼に喰われて死んでしまったほうがいい」なんて言います。まえがきで自身の若き日の結婚、離婚をわざわざ持ち出すところに、自分はどうしたら幸福になれるのか?と悩んでるんだろうなー、と思いました。正直で真面目なことは良いことだと思うけど、それが報われるとは限らない。本物の信仰心は、見返りを求めない。信仰と宗教って、ちょっと違う。2021/08/08
りっとう ゆき
2
前に河合隼雄氏の「ユング心理学と仏教」を読んで、ほかの方の本も読みたいと思い、かなり古いけど読んでみた。考え方としてはしっくりくる。仏教だけじゃなくてほかの思想にも色々ふれてておもしろい。ただ、ふわふわしてるところもあった。2020/11/17
青ポス
1
前半は仏教とその他の思想に現れる類似した概念について解説しており、興味深かった。ただ最後は「日本人は主体性がない」みたいなありきたりな主張がなされていて、前半があってどういう流れでそうなるのかよくわからなかった。断片的に読んだからか、何を主張したいのかよくわからない本だった。2021/06/17
905
1
終章が非常に示唆に富む。1980年に書かれたものと考えると、その後訪れ今に続く混迷と空虚な時代がその時点で見えていたということか。2020/08/12




