出版社内容情報
段ボール・アートをはじめとする作品や美術活動に、常に“日常性”を追求してきた著者。初めて自身の創作とアート哲学について書き下ろす。
内容説明
「生きることとは、表現すること」―デビュー以来、既成概念にとらわれない軽やかで自由な発想から、常に「日常」に視点をおいたアートを展開してきた日比野克彦が、今度は「言葉」という作品に挑戦する。「身体記憶」「ズレ」「時間」など、数々の創作のテーマとなってきた事柄について、何を考え、何を表現しようとしていたのか。「表現する」とは、「感性」とは、そもそもどういうことなのか。ありきたりの日常を、新鮮な驚きにみちたワンダーランドへと導く一冊。
目次
言葉以前の記憶
絵と文字と線
境界線上の存在
「ズレ」と「すきま」
HODO
時間の絵の具
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Naota_t
4
#2048/★3.0/現代アーティスト・日比野克彦氏が約200ページ(約8万文字)を使い、エッセイ的に書いた内容。取り止めもない内容が多いが、アーティストの普段の思考が垣間見えることは面白い。▶︎「均質や均一によって効率を追求することが文明の本質であり、その根底にはズレているものは欠陥品や不良品であるという発想がある」「人間がコミュニケーションをとることは互いのズレの確認作業なのである」「時間をかければ納得のいく作品が完成するのではない。体外時間は短くても、体内時間が濃く、長くなっているかどうかである」2024/01/06
拓陽(いっぽまえへ)
1
日比野克彦さんが39歳の頃の本なので、文体が若いというか自由奔放というか、闊達な感じが良かった。芸術家らしくモノの見方がフツーの人と時空軸が違っていて、そこが新鮮で、見たことのない世界を見せられた感じがする。たまにアーティストの本を読むのもいい。2014/04/19