出版社内容情報
江戸中期、極度の財政難に陥っていた米沢藩を見事に甦らせた上杉鷹山故J・F・ケネディら指導者が尊敬する人物として挙げる名藩主の手腕と人間的魅力を探る。
内容説明
江戸中期、極度の財政難に陥っていた米沢藩を見事に甦らせた希代の名藩主。その経営手腕と人間的魅力とは…。
目次
プロローグ なぜ、いま上杉鷹山か
第1章 名門・上杉家の崩壊―財政破綻はなぜ起こったか
第2章 名指導者への序曲―実学感覚を修得せよ
第3章 変革への激情―「真摯さ」がなければ、何事も始まらない
第4章 大いなる不安―絶望感は自らの力で取りされ
第5章 断行―飽くなき執念と信念が奇跡を生む
第6章 最後の反抗―衆知を集めて悪弊を軌れ
第7章 英断―必要とあらば、非情であれ
第8章 巨いなる遺志―老兵・鷹山と若き後継者
エピローグ 愛と思いやりの名経営者・鷹山
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
solaris
13
故ジョン・F・ケネディ大統領が存命の時に日本記者団に「あなたが最も尊敬する日本人は」と聞かれて、ウエスギヨウザンと答えた。当時の記者、私もこの歳まで名前すら知らなかったのが惜しい。『代表的日本人』の中で一番親近感が湧いた人。「民富、愛と信頼、領内の弱い立場にある人々を労る」「彼の政治の根本は常に人への優しさ」「誤って改むるに憚ることなかれ」理想からでなく、実践からくる経験則。数々のエピソードでまるで他人事とは思えない。改革だけで、社員のモチベーションが上がらなければ、よい仕事はできない。日本人の徳の概念。2016/02/20
永留哲也
3
組織を改革する上で鷹山の経営哲学は非常に参考になります。何度も読み返したい一冊です。2019/01/01
thian
3
改革案を上から押し付けるのではなく、藩士のやる気を引き出すことで改革を実現させた上杉鷹山。ただ厳しくするのではなく、思いやりの心で接することで人はきっと自ら動いてくれるようになる・・・。2013/06/13
あべし
2
上杉鷹山の経営とは、次である。 1.状況を分析し、本質を見抜き、最善策を実行すること。 2.「これ」と決めて信じた行動は、通例とは異なっていてもやり通す覚悟を決めること。 3.対話を大切にする。しかし、嘘は許さない。私腹を肥やすための自分軸の行為には断固とした反対の態度を取る。 ここに書かれていること。実は、学級経営にも活かせる部分はたくさんある。子育てにも共通して言えることだが、人は人として大切にされた人が、モチベーション高く生活しているように感じる。子どもも一人の人として関わることが大切だと思う。2023/10/22
Kentaro
2
ケネディ元大統領が尊敬出来る人という意味がわかる、経済のたて直しに向けた産業構造改革として、一次産業の付加価値型モデルへの変革、新しい働き方による高齢者や女性活躍による労働力の創出、人心掌握による率先垂範、藩民への思いやりといった近代民主主義でも実現しにくい理想的な経済モデルを人身掌握して、実現した話でした。 なぜこんな素晴らしいモデルが語り継がれていないのか不思議に感じた一冊でした。2017/06/04