内容説明
ひょんなことから結婚相談所に勤めはじめた主人公。勤務初日のコンピュータ相性診断で、なんと１０万組に１組という理想の相手がいることがわかる。その相手だが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
122
今から２７年前の作品で、さすがに時の流れを感じてしまいますが、新井さんらしい、なんとも不思議な雰囲気の作品でした。ひょんなコトから結婚相談所に勤めはじめた主人公は、重い病を患う妹と妹の面倒をヘルプしてくれる家政婦さんと三人で暮らしています。重い病ながら、明るく前向きな妹に胸がアツくなります。兄と妹の関係もちょっと危うい？感じがしますが、それ以上に家政婦さんら他の人との繋がりがとてもステキに思え、浄化されるようです。結婚相談所の美人所長との関係もなんだか、少しドキドキしながらも、先が気になってしまいます。2019/04/28
メタボン
24
☆☆☆☆★ 再読。全編にほんのりとした寂しさを感じさせる作品。妹がいじらしい。宮沢賢治とトシを思い起こさせる。物語の舞台設定が結婚相談所というのが新井千裕らしい。この作品ではそれが非常に上手くいっていると思う。言語遊戯や突飛な比喩の頻度は減ったが、ストーリーの面白さは増した。酔っぱらった所長の足を甘噛みするシーンと、妹とギョウザのように抱き合うシーンがきゅんとした。映画にするとしたら、妹役は蒼井優かなと思って読んでいた。2015/12/13
きのこ
3
先日読んだ図書館の女王を捜してが面白かったので 早速新井千裕さん2冊目です。 今回の舞台は結婚相談所。結婚相談所に興味津々。 相性診断受けてみたいですねー。10万分の1なんて言われたらそれだけで 好きになってしまいそうです・・・。 物語は難病の妹と家政婦の柳さん、無表情の所長、ナツメヒカル、と 個性的な面々が盛り上げてくれます。 僕と妹の不思議なほどの仲の良さも、え？近親相姦？って感じなのに不快感もなく。 所長と僕の関係も余韻を残す雰囲気で良かったです。 それにしても読みやすいなー。2009/11/08
