内容説明
オリンピック、ウインブルドンテニス、ワールドカップサッカーなど様々なイベントに協賛することにより、日本の企業は、世界中にその名をはせている。そしてその舞台裏には、必ず電通の活躍がある。企業イメージを高め、企業と消費者とのコミュニケーションづくりに大きく貢献している。本書は、イベント演出を一つの手段とし、広告業から総合情報産業へと転身をはかる電通の企業戦略を鋭く探ったものである。
目次
第1章 電通の国際戦略―スポーツイベントの仕掛人
第2章 広告業界は戦国時代―厳しい状況下、電通の狙いは?
第3章 電通の“脱広告”化―東京オリンピックから出発
第4章 個性豊かなサムライたち―“人間動物園”の環境
第5章 舞台裏の主役たち―クライアントに信頼される“影武者”
第6章 拡大する営業活動―葬儀から五輪まで
第7章 つくば科学万博の仕掛人―無形の利益が財産になる
第8章 電通イベント戦略の今後―世界のDENTSUへの飛躍
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シャル
6
1984年に電通のそれまでの躍進とその理由を分析した本。ロス五輪等のイベントにも根深く食い込み、いよいよただの広告代理店からさらに大きな存在になろうという流れを追ったものである。しかし電通はただなんとなく強大化したわけでなく、そこにあったのはいわゆる『電通マン』たち人間一人一人のたゆまない努力の成果であると強調する。クライアントの元へ足繁く通い、アイディアを絞り出し、様々な方面に約束を取り付ける。書けば簡単、言うのはさらに容易であるが、その地道で圧倒的な行動こそが電通を作ったのだろう。2016/06/23