内容説明
昭和62年4月1日、国鉄は分割・民営化されJRグループとして新しい道を歩みはじめた。近代日本の幕開けに重要な役割を果たし、さらに戦後復興の主役を演じ、新幹線では、その技術力の優秀さを世界に知らしめた。類のない列車運行の正確さと安全性で、日本経済の動脈として君臨した国鉄が、なぜこのような事態を迎えるに至ったのか。本書は、分割・民営への道のりを追いながら、内部を蝕んだ組合、国鉄一家意識、そして利権にからんだ政治の姿を浮き彫りにする。
目次
序章 昭和62年4月1日午前零時―JRグループ誕生す
第1章 国鉄改革のレールは敷かれた―杉浦体制の発足
第2章 改革はゆっくりと走りだした―国鉄改革法案の提出
第3章 揺れる組合と労働者の焦燥―労働組合は何をしたのか
第4章 加速度を増す改革―国鉄改革法案の可決、成立
第5章 改革の原点を忘れるな―職場の荒廃の実情
第6章 軋むレール(上)―三塚小委員会の発足と国道本社内の動乱
第7章 軋むレール(下)―国鉄独自の再建案と改革派の巻き返し
第8章 それぞれの“国鉄改革”―新社会をとりまくさまざまなドラマ
終章 新たなる旅立ち―改革の結末と新たな挑戦