内容説明
明治時代中期、パリには数多くの日本人画学生がいた。彼らは一様に、「ミレー、コローを見て有難涙を流し街ゆく美人に茫然としてみとれていた」のである。黒田清輝;山本芳翠;高橋由一;小出楢重。日本西洋画界を作り上げた若き画家たちはパリで何を見、何を学んだのか。画家たちの滞欧記を通して明治時代の日欧文化接触の様子を描き出す。
目次
1 西洋の雰囲気・日本の風土
2 世紀末の芸術都市
3 グレー村の画家日記
4 フランス絵画の世紀末
5 日本西洋画とラファエル・コラン
6 日本へ渡った「グレー村」
7 日本近代と西洋画
8 画家たちのヨーロッパ大陸