内容説明
かつて19世紀末の美術や文学には、男を魅了し、ついには破滅させる数々の魔性の女たちが描かれ、また物語られた。彼女たちは「宿命の女」と総称され、その頂点にサロメの姿があった。描かれた魔性のヒロインたちの系譜を探る331点をカラー図版で再現、伝説のなかに明暗が交錯する情念と官能のドラマを追う。
目次
1章 サロメ登場(世紀末の偶像;『さかしま』の画家 ほか)
2章 伝説のユダヤ王女(聖書は物語る;サロメの肖像 ほか)
3章 サロメの姉妹たち―魔性の女の系譜(エヴァ、蛇、原罪;罪ある美貌―ヘレネとクレオパトラ ほか)
4章 宿命の女(永遠の女性像;夢の女たち ほか)
著者等紹介
利倉隆[トシクラタカシ]
1950年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業(美学美術史専攻)。著書に『悪魔の美術と物語』『天使の美術と物語』『聖母マリアの美術』(共著)。ほか『西洋絵画の主題物語』IおよびII(以上美術出版社[カラー版])『エンカルタ百科事典』(マイクロソフト)等に執筆
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感想・レビュー
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そとは夕焼け
3
ファム・ファタールは好きなテーマなのだけど、一冊となるとさすがに食傷気味。作者のファム・ファタールへの偏愛ぶりも感じて面白い。 なかなか取り上げられない絵画が見られてよかった。 本のサイズが小さいために文章で指摘されているものが絵画の中に見つけにくかった。だけど、持ち運んで読めたので利点でもあるかも。 最後の方のモッサの絵画が大正の少女のための絵に見えて仕方なかったなあ。2012/03/12
s
2
サロメを中心にモチーフにされた女性たち、ファムファタルを巡る考察。凄く面白く、わかりやすい。19世紀末まで描かれたファムファタルの神秘性は20世紀芸術、エコパリの新しい風によって不要となりネガティブイメージとなる。って所に成る程。と。ラファエロ前派の描く女性たちの悲劇性も胸が痛む。トーロップをもっと見てみたい。2014/06/23
でろり~ん
1
ん~、つまらんかったです。カラー図版がふんだんで、引用している内容も説得力のあるものでしたが、全てがエビデンスでしかなく、観る対象ではありませんでした。ま、グロテスクな絵が多いので、小さい方が良いという判断もあったのかもしれませんが。エロスの正体、みたいな部分については、猥雑にならないための配慮があるんでしょうけれど、ちっともエロティックじゃないものしか対象にしていない感想でした。ファム・ファタルを感じるには男性側の感受性が重要だと思いますが、少なくとも20世紀、マタ・ハリはサロメだったと思いますが。。。2019/05/01
chloe
1
現実を生きる人間としての女性はついぞ今まで描かれたことなどなかったのではとすら思えるこの「妄想」の系譜の凄まじさ、おぞましさ。ふくれあがった妄想の前には現実など一顧だにされず無きものとされるか、都合よく読み替えられて飲み込まれる。妄想と現実の区別などというおためごかしさえ見当たらない。これは「過去」のものだろうか。日本から遙か隔たる西欧のもの、だろうか。『それを生んだものは今もなお人間の存在の根底にほとんど無傷のまま横たわっている…。』2015/05/15
帆立
1
ファム・ファタールの絵画がカラーでたくさん見られて満足。テーマを絞ってその扱われ方の変遷を追うと自分の中の美術史のイメージも変わって面白い。2013/05/25
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- 和書
- モンテ・クリスト伯




