出版社内容情報
著者の吉荒夕記は、ロンドン在住で博物館学を専門にする研究者。ミュージアムを舞台にしたゲリラ展示でバンクシーの標的側に立たされたことがきっかけとなり、バンクシー研究を開始。本書では、世界各地に仕掛けられた ”いたずら” や ”事件” を追いながら、バンクシーが投げかけるメッセージの真意に迫っていく。
翻訳書を除く日本語でのバンクシー論の刊行は初。日本では馴染みの少ないストリート・アートが生まれた背景や、作品理解に欠かせないイギリスの社会問題まで丁寧に解説し、ストリート・アートとは、バンクシーとは、を一から知りたい人の入門書としてもおすすめできる。
【目次】
プロローグ
第一章 バンクシー、三つの事件簿
第二章 覆面の謎
第三章 ストリートアートと場の密接な関係
第四章 アートに風穴を
第五章 分断の壁に描く
エピローグ
バンクシーの経歴
内容説明
「アートの世界は最大級のジョークだよ。」なぜ、作品はオークション会場で細断されたのか?世界各地で巻き起こされる“事件”から、覆面アーティストの深層に迫る。
目次
第一章バンクシー、三つの事件簿
第二章 覆面の謎
第三章 ストリートアートと場の密接な関係
第四章 アートに風穴を
第五章 分断の壁に描く
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
39
有名ミュージアムで勝手に作品を展示したり、動物園の檻の中に侵入してメッセージ性の強いアートを残したりと何かと話題に尽きないバンクシー、日本ではまだあまり受け入れられていないストリートアートの世界を知ることができて良かった。2022/07/26
s-kozy
37
バンクシー展に行くための準備で読む。このコロナ禍で行けないまま。果たして行くことができるのか?2020/03/30
Fondsaule
26
★★★★☆ 謎の多いストリート・アーティスト バンクシーの本。反戦・反大量諸費・反監視社会のメッセージを世界に送り続け、今では既にセレブになっているという。バンクシーについて書かれた本だけど、正体が明かされるわけではないのだね。2020/02/29
yyrn
21
絵や音楽、スポーツ観戦でさえ、文章でその感動を再生したり、疑似体験することはできるが、でも識者や経験者の言葉に影響されて、自分の気持ちや意見が修正されるのは少し残念で、どうしてその視点で見ることができなかったのかという思いに駆られたりする。ちょっとすかした言い回しが鼻につくが、大英博物館のキュレーターを務めた研究者としての経歴が、そんな言い方をさせているのかなと思いながら読んだ。研究者として主題を絞って紹介してくれるので、よく聞くけど、バンクシーって何?という人には良い本だと思う。良い面と悪い面を知る。2019/11/18
源
20
バンクシーは世界中のどこの壁にも彼が訪れて何か描いてくれるのではないかという期待を抱かせてくれる。正体を隠すからこそ政治的なメッセージも出せる。そのためにはどんなこともやる。ストリートアートだけじゃない。その全容がこの一冊で見渡すことができた。キースヘリングにもバスキアにも出来なかったことを彼だけができるのだ。2019.9.10 2020/01/04