感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱんぺろ
23
久しぶりに読了。読メにあるかしらと思ったら、あった。絶版書。今はネットで商品状態をちゃんと比較できていいね。たいして値上りしていない。分析的な内容。極めて図形的といえる考察。絵画構図の構成要素のいちいちが、図形的な解釈を一度は濾過されて纏められている。それは作者のセザンヌ絵画への理解が、やはり図形にうまれる干渉力に興味を向いていることの証であろう、分析に鋭さはないものの、しっかりと結論されてあって解り易く、面白い。絵描きはモチロン、美術愛好家にもオススメ。かな、微妙ちゃ微妙、セザンヌ好きは眺めてみては→2018/06/29
キャラ
1
これが絶版になっているのは、日本の損失ではないかというくらい、徹底された構図研究の重要文献。異なる平面を折り重ね、微細な遠近から生じる小さい動きが全体へと連関し、それでいて、全体の構図としてもバランスよく収める芸当。動的平衡とでもいうような技術。セザンヌは、構図を追うことを通して、まるで目の前に広がる世界の構造に直に触れたかのような、人体と自然の一致を見せつけたかったんだろうか。この本で得られる絵画の見方は、ほかの絵画の見方に対しても援用・応用でき、見方の専門書として非常に有益なものである。2025/03/28
aporia
0
後期印象派の巨匠セザンヌの構図を徹底的に分析した著書です。私は画家ではありませんが、こうした分析を見せてもらうと、絵を見るめがずいぶん肥えてきたように思います。
