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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
356
小学校5年生の時がキリコとの絵との最初の出会いだった。表紙に採用されている「ヘクトールとアンドロマケー」がまさにそれである。展覧会のポスターだったのだろうか。もちろん、その時はキリコを全く知らなかったのだが、こんな絵もあるのかと、なんだか人生観(小学生だったので人生観は大げさだが)を揺さぶられたような思いがした。次に再会したのは中学生の時。「通りの神秘と憂愁」だった。不思議な、そして怖い絵である。影と時間の静止が静かな戦慄を呼び起こすのだろう。2022/06/05
たろーたん
1
年代順に見て行くと、20代後半の時が一番好きだったかな。死の象徴を念頭にしてみると、荒涼とした世界観が、キリコが描く地獄として見れて、すごく魅せられた。晩年にも似たようなモノを描いているのだけど、晩年の方が妙に明るくて希望があるっぽい。20代後半の、人間のほとんどが死滅して、虚しく塔が立っている感じがポストヒューマンっぽくて好きなのよね。あと、お馴染みのマネキンも人間の死滅後の人間or異星人みたいでとてもマッチしてる。地球に似てるようで地球でない、別の退廃した世界を描いている感じがしてとても良かった。2024/01/07