内容説明
あるよる。ゆきがしんしんとふるもりで、クマとオオカミがであいます。「いっしょにさんぽしない?」クマがききました。「いいよ」オオカミがこたえます。―ふだんはけっして近づくことのないクマとオオカミが、自然のなかで宝物のような時間を過ごし、おたがいを近くに感じる奇跡を美しく描きます。
著者等紹介
サルミエリ,ダニエル[サルミエリ,ダニエル] [Salmieri,Daniel]
アメリカのイラストレーター、絵本作家。ニューヨーク出身。『クマとオオカミ』Bear and Wolfで初めて絵と文章の両方を手がけた
やまぐちふみお[ヤマグチフミオ]
翻訳家。英米の絵本や物語の翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
30
大自然の雪の中で出会ったクマとオオカミの不思議な散歩でした。 壮大な自然の中ではちっぽけな二人ですが、次第に仲良くなっていくさまが、淡々と俯瞰的に描かれています。 凍った湖の、氷上から見下ろした光景と、水中から二人を見上げる光景が印象的です。 春の日に再会した二人が、今度はどの様な風景を目にするのか、興味を持たせて絵本は終わりました。 クマは、本当は家族一緒に冬眠しないんだよという、注は日本での配慮でしょうか。ナイス・アシストです。2021/11/22
ツキノ
23
2021年3月発行。雪降る森で出会ったクマとオオカミ。いっしょに散歩をする。水底のさかなをいっしょに眺め、別れる。春の再会。色鉛筆画が美しい。カバー裏も綺麗。(E84)2021/03/26
しばこ
14
こういう出会いがあってもいい。絵本の世界だから。シンプルな絵から凍てつくような冬の空気感が伝わって、最後には春が訪れる。静かに。2021/06/05
おはなし会 芽ぶっく
13
雪降る夜、クマとオオカミは森の中で出会います。一緒にいることはありえない2匹が、一緒に散歩をします。言葉少なですが、いつもとは違う発見があり、そして別れの時間。また会おうと約束をして…。とても静かに時間を過ごせる絵本。宝物のような時間を過ごした彼らの奇跡の出会い。2021/04/17
猿田彦
6
真冬の散歩中に偶然出会ったクマとオオカミの散歩を描いたお話です。強い者同士、冬の寒さと、静けさの中で木の皮のにおいをかいだり、毛皮に落ちる雪のかすかな音を聞き、雪の形にも目を向けます。そして一面の氷となった湖の中央で再開を期待して別れます。不思議な感覚の本でした。冬の厳しさが私の前にも届き、刺すような冷たさが心地よいと感じました。薄暗い森の中で、期待せず出会った友達。対等な力関係だから成り立つ友情。本来なら身を置きたくない場所のはずなのに、二人の友情があるから素敵な場所と思えました。 2021/12/08