- ホーム
- > 和書
- > 芸術
- > 絵画・作品集
- > 絵画・作品集(西洋)
内容説明
オランダ在住40年に及ぶ、画家でありエッセイストである著者が、10年の歳月をかけて辿ったゴッホの全足跡。著者自身の鋭い感性と洞察力、長いオランダ生活で培われた深い知識、さらにはオランダ語資料を自在に駆使すること、それらを通じて初めて可能となった、ゴッホの本質に迫る異色の伝記エッセイ。
目次
ブラバントの村
ゴッホ家の人々
別れ
プラーツ十四番地
この世の異邦人
神のしもべ
黒い土地
楽園追放
転生
北の果てにて
濡れた犬
馬鈴薯を食べる人たち
色との出会い
陶酔の町
向日葵
ミストラル
揺れる大気
北回帰
旅の終わり
著者等紹介
吉屋敬[ヨシヤケイ]
画家・エッセイスト。オランダ芸術家協会員。オランダ在住。1945年横浜に生まれる。1965年渡蘭。二つの美大で学ぶ。日蘭両国で個展、特別企画展等への招待多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
彼岸花
7
写真や絵がたくさん掲載されていますが、オールカラーページだったら良かったですね。ゴッホの写真は残っていないらしく、30代の彼の写真を、見てみたいと思いました。ゴッホは、引っ越しも多く、安住の地を模索し続けたのでしょう。金銭面の問題がずっと尾を引いて、彼自身、最後、とても苦しんだのだと思います。周りからは狂人扱いされ、それでも画家であるプライドがあったからこそ、多数の作品を世に残すことができました。テオの妻の尽力による功績も大きく、ひまわりのような女性だったのかもしれません。2018/04/06
ケルトリ
5
山田五郎さんがYouTubeより。ゴッホは変人、といったことがよく言われるが『自己犠牲』という面ではかなりのものがある。なにもかも他人にあげてしまって、自分はそまつな身なりとパンだけの食事でさえもいとわない。ここまでの自己犠牲にあふれた人が、絵がまったく評価されず、弟のヒモ状態になればどれほどまでに心理的な重圧を絶えず受け続けていたことだろうか……自殺の直前の狂気はそれに耐えられなくなってしまったことに由来するのだろう。2022/06/21
このこねこ@年間500冊の乱読家
4
⭐⭐⭐ オランダ在住の画家である著者が、ゴッホの生涯を丁寧に追った1冊。 病的なまでの自己犠牲と献身行為のせいで、牧師をクビになったエピソードなど、画家になる前のゴッホのことも知ることができました。 ……まぁ、やはり狂人の類だった感はありますね。2022/03/27
m
4
山田五郎さんがYouTubeでおすすめしていた本。丁寧にゴッホの足跡を辿る。異様に惚れやすく自己犠牲の気持ちが強いのは生まれつきなのか育った環境のせいなのか。ここまで極端だと周りの人は本当に大変だっただろう。ゴッホのアルル時代以降の絵は好きだが、ゴッホとは仲良くなれなさそうだ。2021/11/12
masanari
3
素晴らしい本。200ページ強と短いがゴッホの生涯をまとめてわかりやすい。文章も無味乾燥でなく、かといってこの手の本にありがちな自分語りもほとんどなく、読みやすい。僅かに書かれたテオの最期では号泣してしまった。挫折していたゴッホの手紙をもう一度挑戦したいと思わせる本だった。2022/01/11