出版社内容情報
1940年。エイダは手術を受け、自分の足で歩けるようになる。戦争は激しさを増し、生活は苦しくなる一方だった。新たな出会い、別離、深まる絆……。やがて本当に大切なものに気付いてゆく少女の勇気ある戦いを描く。同タイトル1939年の完結編です。
内容説明
一九四〇年。エイダは手術を受け、自分の足で歩けるようになる。戦争はますますはげしくなり、生活は苦しくなる一方だった。新しい友だちと出会い、親しい人を失い、家族のきずなを深めるなかでほんとうに大切なものに気づいていく少女の、勇気ある戦いを描く。
著者等紹介
ブラッドリー,キンバリー・ブルベイカー[ブラッドリー,キンバリーブルベイカー] [Bradley,Kimberly Brubaker]
1967年、アメリカ、インディアナ州生まれの作家。スミス・カレッジで化学を専攻した。卒業後、編集者などの仕事をしながら、夜間や週末に創作をつづけ、歴史小説を発表。2016年『わたしがいどんだ戦い 1939年』が、ニューベリー賞オナー(次点作)、シュナイダー・ファミリーブック賞受賞作等に選ばれ、注目される
大作道子[オオサクミチコ]
1964年千葉県生まれ。大学卒業後、会社勤務を経て、ニュージーランドに滞在。帰国後、翻訳を学ぶ。やまねこ翻訳クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
39
前作表紙では馬の傍らに立っていたエイダが、本作では馬に乗っている。前作との大きな違いは、まずそこだ。彼女は足の手術を受け、歩けるようになったのだ。もちろん、馬に乗ることも。但し前作ではバックが白っぽかったが、本作では戦争を意識してか黒だ。物語が始まってすぐ実母が空襲で亡くなる。とはいえ、エイダは母の死を嘆けない自分に対してわだかまりを抱え、ジェレミーが簡単にスーザンをママ呼びするのに、頑なに名前で呼び続けるのが自分への罰のようで痛々しい。スーザンとベッキーって多分同性愛者だったのかなと。2021/05/30
長くつしたのピッピ
35
虐待されたエイダが、亡くなった母を恨みながらも「天国へ行って神様に改心された」と思えるようになったことが何より嬉しい。弟が素直にスーザンを「ママ」と呼ぶことに反発を覚え「ママじゃない」と言い続ける頑なさが哀しい。けれども、虐待のトラウマが少しずつ薄れ人を信じることや人を思いやる気持ちが芽生えていく過程が清々しい。YAはまっすぐ人の気持ちに届くので読後がすっきりと気持ちが良くて好き。2021/01/18
シュシュ
31
エイダは母親に虐待されていたが、今はスーザンから愛情を受けて暮らしている。思春期でもあり気持ちが不安定で頑なだ。そんなエイダの心が少しずつ柔らかくなり、嫌な人にも心を開いていく。戦死したジョナサンに勇敢だと言われたエイダ。戦時下の暮らしの中で変わっていく。意見が違う時に気持ちを伝え合う人たちを見て、面倒な人、厄介な人とも関わってみたくなった。「知りたいと思えば、ものごとは好きなだけ知ることができる。でも、知ったことを信じるかどうかは、また別だ。…そして、知ったことを信じられる日が、いつか来るかもしれない」2019/11/26
みよちゃん
17
前作読んでいたのに、すっかり忘れてた。孤児になった姉と弟。後見人、屋敷の夫人、その息子と娘そして馬との生活が戦時下の生活に深く関わっている。敵との戦いではなく、自分との戦い。その姿勢が周りの人たちに受け入れられるようになっていく。2019/12/03
Incisor
12
エイダとエイダをとりまく人々の、喜怒哀楽、特に悲しみ、苦しみに向き合っていく姿、その過程にとても勇気づけられた。これからきっと折にふれて思い出して、力をもらうと思う。粛々と営まれる戦時中の日常と非日常の描写もまた深く心に刻み込まれた。2020/06/25
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- 三つ目がとおる - 2巻