内容説明
一九二九年のイギリス。やせっぽちでいじめられっ子のジョニーに、ある日、天才的なアイデアがひらめいた。苦労がたえない母さんを助けられたら―最初はそんな気持ちで始めた仕事だったのだが…思いもかけない事件にまきこまれ、おまけに母さんが「殺人犯」にされてしまった。どうする、ジョニー。
著者等紹介
アップデール,エレナー[アップデール,エレナー][Updale,Eleanor]
1953年ロンドン生まれの作家。歴史の分野で博士号を取得。ラジオやテレビでニュース番組のプロデューサーとして働いたのち、創作活動を始める。子どもたちのためのチャリティー運動「コラム」の運営にたずさわり、病院での医学倫理委員会にも参加している
こだまともこ[コダマトモコ]
東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務ののち、児童文学の創作、翻訳にたずさわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
24
タイトルに“天才”とついているが、それほどではない。だいいち、原題は彼の本名であり、天才を意味するGeniusがついていない。アイデアというのも、どちらかというと、こすっからい詐欺である。口から出まかせが次々と出てくるあたりは確かに賢いが、結局人を騙しているため、当初あまり主人公ジョニーには感情移入がしづらかった。だから作者は、後半さらなる悪者を登場させて、奮闘するジョニーを見せたのだろう。モンモランシーシリーズを書いている著者が「二つの大戦の間の時代を書いてみたかった」という動機で執筆。2022/09/08
naonchi
5
「天才」という程のものじゃないけど、「おやじギャグ」としか思えない詐欺の手口にホッコリしました。序盤はコン・ゲーム的で面白く読ませますが、中盤以降ググッとサスペンス要素が増えて、400P近くある本ですが一気に読めます。エドガー・アラン・ポー受賞作品ばかり集めたこの選書シリーズは、学校の図書館で夢中になって読んでいた懐かしい頃を思い出させます。こういうタイプの配本って、今は流行らないのかもしれないけど、面白い本に出会うチャンスが増えるので絶対に無くなって欲しくないなぁ~、と思います。2013/07/09
nante
5
嘘を嘘で塗り固めていくジョニーの口八丁さが楽しい、犯罪なのだけれど。2013/01/13
藻胤
4
なんだか胸糞悪い出来事が多いなあ、と思ったら時代がそういう時代でした。それでも屈しないジョニーはすごい。天才かどうかは別として!2013/07/14
kambashig
3
第一次大戦後のイギリス。小柄でいじめられがちな貧しい母子家庭の少年。ささやかな小遣い稼ぎを思いつき、それが案外うまくゆく。しかしある日母に殺人の容疑がかけられ…。天才とは違う気がするが、機転を働かせて苦境を乗り切るところが面白い。2014/05/07