内容説明
「兄貴、助けて!どこにいるの?」―人間の魂を罠にかけるという恐ろしい“魂食らい”。その“魂食らい”が、トラクの大切な弟、オオカミのウルフをさらっていった。いったい何のために?トラクとレンは、ウルフを追って、凍りつく極北の地へ足をふみ入れる。“ヘビの目”と呼ばれる場所でふたりが知った衝撃の事実とは?ますますおもしろくなるシリーズ第3弾。
著者等紹介
ペイヴァー,ミシェル[ペイヴァー,ミシェル][Paver,Michelle]
オックスフォード大学で生化学の学位を取得した後、薬事法を専門とする弁護士になる。神話、民俗学、考古学の書物を読みあさり、アイスランドやノルウェー等に旅をしては物語の構想を練り上げていった
さくまゆみこ[サクマユミコ]
出版社勤務を経て、現在はフリーの翻訳家・編集者。玉川大学・大学院非常勤講師
酒井駒子[サカイコマコ]
東京芸術大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
あわいの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
371
これまでは各巻で一応は完結に近い形をとっていたが、この巻では大きな含みを残したままで終わる。そして、それは当然ながら不吉な予兆である。魔導士も一気に姿を現し、風雲急を告げるかのようであるが、まだ3巻を残すのであり、このあたりから、より長編化の様相を呈してくるのだろうか。物語の舞台も第1巻では中原世界、第2巻では西の海、そしてこの第3巻では北の氷の世界であった。さすれば、次巻は東の深い森か南の砂漠地帯?私たち読者はこの世界に十分に馴染んできた。作者にとってはここからが正念場だろう。2022/11/26
absinthe
204
さらわれたウルフを探すトラクの旅。トラクがとうとう闇堕ちか?禁断の秘術のダークサイドに近づいてゆく。森と海を舞台にした前2巻に続いて今回はシロクマも現れる極北で、壮大な追跡劇と秘密の魔術。捕まったウルフを取り戻すために禁断の秘儀を使う<魂喰らい>たちに近づいてゆく。悪霊たちは世に放たれるのか。前半はウルフが拘束されて普段の活発さが無いうえ、登場人物は極わずかで寂しい展開だったが、後半はそれを取り返すように密度が上がった。2021/01/21
Rin
71
【図書館】とにかくウルフに降りかかった困難な状況が、辛くて苦しくて仕方なかった。同時に魂喰らいの恐ろしさや残酷さがこれでもか、というほど伝わってくる。そんな魂喰らいに立ち向かうトラクとレン。途中何度も感情が爆発したり、弱気になるけれど彼らの年齢を思えば当然で。それでもウルフや相手を思って勇気を振り絞る彼らは本当に強い。彼らが年相応に戯れる時間がどれほど暖かで大切か、ウルフとの種族を超えた絆や信頼関係も再確認できた。でも、まだまだ不穏な空気が漂っているけど、最後にウルフについて知れて嬉しかったです。 2017/10/22
榊原 香織
60
シリーズ3 6000年前の北欧。さらに北へ。イヌイットみたいな人種も出てくるのでほとんど極地。 空の”最初の木”て何かと思ったら、オーロラ。 少年少女とオオカミの冒険は定番の面白さ2023/11/06
Rosemary*
54
「クロニクル 千古の闇」シリーズ第3弾。今回は父の敵である魂食らいたちに、弟分のウルフが連れ去られてしまいます。トラクとレンは連れ戻す旅に出ますが、その先は極北の氷の世界です。ハラハラドキドキの展開に一気にヒートアップ!登場人物にも厚みが出てきて面白くなってきました。危機に面した時の冷静さではレンの方が上手かなぁ。些細な気持ちのすれ違いや又々ウルフ目線の言葉など楽しさも倍増。最後にトラクに降りかかる試練などますます目が離せません。2014/11/18