内容説明
イスラエル占領下のパレスチナ。十二歳の少年カリームの夢は、サッカーの世界チャンピオンになること。外出禁止令が解除されると、瓦礫の山を片づけて、さあ、サッカーの練習だ!ここが、ぼくたちの砦なんだ!―過酷な環境の中、いつか自由を、と願いながら、明るく生きる少年たちの物語。
著者等紹介
レアード,エリザベス[レアード,エリザベス][Laird,Elizabeth]
イギリスの作家。多くの話題作を発表している。マレーシアで教師生活を送り、夫の仕事の関係でエチオピアやレバノンにも長期滞在した
石谷尚子[イシタニヒサコ]
東京生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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光
6
イスラエル占領下のパレスチナ。少年カリームが望む、ふつうの国でのふつうの暮らし。 平和に暮らせる事がどれほどありがたいか、考えさせられました。2015/03/15
takao
2
ふむ2025/03/25
りうかん
2
イスラエルに占領されているパレスチナの子供たちのお話、目も当てられないほどに薄暗い話でもなかったが、不自由な日々の中で、子供たちは踏みにじられたままではない。 占領下の、パレスチナで外出禁止令にイラつく主人公は瓦礫の空き地を片付けてサッカー場にしようと頑張る。ようやくできたサッカー場で夢中になって遊んでいる彼らに、イスラエル軍の戦車が外出禁止令とともにやってきて。2020/04/28
りっか
2
けなげだ。そして力強い。2007/01/11
ねこねこ
1
占領下を生きる子どもたちの日常があまりにも鮮明で、あまりにも死がすぐそばにありすぎて、胸が苦しかった。ヨルダン川西岸のイスラエルによる占領は1995年に形式上(一部)終わっているけれど、入植活動も暴力もずっと続いている。「イスラエルは、われわれをひとり残らず追い出し、パレスチナのすみずみまで手に入れなければ、満足しやないんだ(p42)」でも一番大切なことは、「みんな同じ人間だと認める広い心が、やつらにはないってことさ(p87)」ここにある。みんな同じ人間だという事実を受け止められる側が常に勝者なのだ。2025/05/19