内容説明
「南米随一のサッカー記者、パウル・ファウスティノ、いよいよ史上最強のゴールキーパーにインタビュー。つい一昨日ワールドカップをつかみとった男」―貧しい少年が、世界最高と言われるキーパーになった。が、その栄光の陰には、万人の想像をはるかに超える秘密が隠されていた。サッカーにまつわる美しくも深遠な幽霊話。ブランフォード・ボウズ賞受賞作。
著者等紹介
ピート,マル[ピート,マル][Peet,Mal]
イギリス、ノーフォーク生まれ。大学卒業後は、教師をはじめ、さまざまな職業につき、後に、イラストレーターとして活躍、数々の絵本を世に送りだしている。『キーパー』は、初の小説。2004年度のブランフォード・ボウズ賞を受賞している
池央耿[イケヒロアキ]
1940年東京生まれ。1964年国際基督教大学教養学部人文科学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みー
8
最後、鳥肌が立った!決して派手な物語ではない。どちらかと言うと、地味である。サッカーという、今最も輝かしいスポーツに焦点を当てているものの、繰り広げられる内容は、輝かしい試合風景や、カッコいい選手たちではなく、ジャングルの奥地で幽霊と出会った少年が、ワールドカップのトロフィーを手にするまでが、淡々と叙事的に語られていく。ぐっと抑えたその文章に、最後の場面で、感情が爆発する。サッカーを知らなくても十分楽しめ、感動する。キーパーという、ポジションの役割も理解出来た!ただ、ゴールを守っているだけかと思っていた。2016/05/25
アキ
6
「世界最高」の勲章・ワールドカップを手に入れたゴール・キーパーが語る栄光の陰に隠された秘密。少年時代にアマゾンのジャングルで、ある「出逢い」を経験したことから始まるその物語は、深遠で不思議な魅力に彩られたゴースト・ストーリーだった・・・。家族や仲間との絆を感じさせる成長物語でもあり、何よりキーパーという「不思議な」ポジションの認識を少し改めさせてくれた一冊でした。2012/08/16
tom
3
この本はよい。ジャングルの中で幽霊?にキーパーの仕事を習う少年の話。サッカーの試合の場面もさることながら,周りの人たちの逸話もなかなか。ネタにも仰天。とんでもなく叙情的でもある。こういう面白い話を書く人がいるのだと,改めて驚いた。図書館本に感謝。私にとって,今年最初のヒットかもしれない。2010/03/24
Linty Minty
2
面白い。ワールドカップを手に入れたゴールキーパが語るお話。けっこうじみな話もあって面白いです。2015/03/01
pasta
1
貧しい弱い少年がジャングルで幽霊にサッカーを教えてもらって、サクセスストーリーなんだけど、サクセスな課程よりも、幽霊の師匠と弟子の心理描写とか、ジャングルの不思議さ、幽霊の恐ろしさがぐいぐいと惹きつける作品。なので、私のようにサッカーがさっぱり分からない人でも面白く読めます。2012/01/25