内容説明
恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビット族や魔法使い、妖精族たちの、果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死。全てを呑み込み、空前の指輪大戦争へ―。旧版の訳をさらに推敲、より充実して読みやすく美しい、待望の「新版」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
415
この巻はボロミアの死に始まり、それ以降はサルマンの軍勢とローハンの騎士たちとの戦いに終始する。物語は壮大な戦いを描き、勇壮な叙事詩を歌い上げていく。アラゴルンたちもまた、この戦いに巻き込まれざるを得ないのだが、トールキンはその前にフロドとサムの二人はそこから遠ざけておく配慮を忘れない。すなわち、ファンタジーとして白い世界と黒い世界との戦いを描くことは避けられないのだが、そのことを必ずしも肯定してはいないのである。幾分かの矛盾を孕みながらも、物語の主軸はあくまでもそこにはない。この巻にフロドがほとんど登場⇒2019/05/04
かえで
65
第二部のスタートです。いきなり衝撃の展開から始まり引き込まれます。指輪の仲間達はいくつかのチームになり行動をしています。次第に明らかになる冥王の恐怖と中つ国を覆うとしている大きな闇が読み手を引き付けます。アラゴルンの男気溢れる姿が良い。それにあまり役に立っていない感じだったホビット ピピンの大活躍に胸が踊りました。物語はいよいよ大きな進展と爆発をみせる予感!新しいキャラクターと新しい伝聞も続々登場で目が離せない。まだまだ続きますよ!2017/05/04
南北
64
一行は結果的に3グループに分かれて旅を続けることになる。メリー・ピピンのグループはエントたちに事情を話すことでエントたちが奮起することになり、アイゼンガルドに向かう。アラゴルンたちは闇に消えたガンダルフと再会できる。ようやくモルドールやオークたちと戦う体制が整ってきたような感じがする。フロドとサムのグループはしばらく出てこないようだが、ここにも意味がありそうだ。これからも続く旅の物語を味わっていきたい。2022/08/08
パトラッシュ
62
離散したフロド以外の「脇役」たちが遭遇する様々な苦難を描く外伝的エピソード集。指輪を奪おうとした直後にボロミアは悲劇的な死を迎え、一方で拉致されて逃げ出したピピンとメリーは何ともコミカルな冒険の末に作中で最もユニークな存在の<木の鬚>に出会い、彼らを救出に来たアラゴルンたちは思いもかけぬ相手と再会する。全巻のちょうど中心部で、後半へ発展していく物語の転回点になっている。連作短編風で物語としては面白いが、しっかり押さえておかないと誰の話かわからなくなりそうだ。珍しく読み終えてほっとさせられる。(6巻に続く)2020/06/08
カフカ
61
信頼していた仲間との別れ。 新たな種族との出会い。 上古から続くとされる木の種族エントについて、映画より深く描かれていて興味深い。色々な物語に木の生き物が出てきたりするけど、指輪物語が元なのか…? パワーアップした仲間との再会もあり、大興奮の巻だった。2023/06/06