内容説明
恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビット族や魔法使い、妖精族たちの、果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死。全てを呑み込み、空前の指輪大戦争へ―。旧版の訳をさらに推敲、より充実して読みやすく美しい、待望の「新版」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
423
この巻で、フロド以下4人の旅がいよいよ本格的に始まる。典型的なロードノヴェルなのだが、「古森」、「踊る仔馬亭」そしてその後も彼らには次々と苦難が襲い掛かる。ややもするとロールプレイイングゲームの様相を呈しかねないのだが、それらとの決定的な違いは世界観の大きさと、そこに内包される神話的な時間を持った歴史である。ファンタジーの成否はそこで決まるといっても過言ではないが、トールキン、C・S・ルイス、ル・グインの3人は、やはり傑出した存在だろう。続いて3巻へ。2019/04/30
あーさん☆㊗️天久鷹央実写化!環奈ちゃん最高です!(≧▽≦)
99
結局『ホビット』からズルズル読む羽目になる冒険書の2巻目σ( ̄∇ ̄;)2020/04/23
藤月はな(灯れ松明の火)
94
仲間を続々、集めて指輪破壊の旅へ。ところがフロド達に死者を起こしてしまったり、トロールに襲撃されたり、正体不明の人物が加わったりと様々な困難が起こるのだった。「馳夫、誰やねん」と思っていたら、胸毛大好き、三浦しをんさんのエッセーでお馴染み、アラゴルンじゃないですか!そうか、あんたがか(笑)しかし、馳夫の忠告は現実でありながらも哀しい。そして指輪を嵌めてトロールを攻撃したフロドが本来なら知る筈もない、トロールの名を口にした場面は心底、ゾッとする。あれはフロドが自然と言ったものではないのが、恐ろしい・・・。2016/12/29
かえで
81
フロド、サム、ピピン、メリーの4人のホビットは2冊目にしてようやくホビット庄から出ます(笑) トム・ボンバディル、指輪の仲間の一人である馳夫(カッコイイ!)も登場!フロド達を付け狙う黒い追跡者たちの恐ろしさに思わず汗が出てきます。物語は加速度的に面白くなってきます。前述した登場人物以外にも印象に残る数多くのキャラクターが出てきますし、作中で語られる中つ国の歴史や文化の奥深さに圧倒されます。前作のホビットの冒険を読んでいるとニヤリと出来るところも多く、とにかくページをめくる手が止まらない。まだまだ冒険は続く2017/04/21
パトラッシュ
72
ようやく旅立った一行が謎の集団に追われる前半の山場だが、事件に次ぐ事件を緻密かつ悠然と書き進めるため盛り上がりに欠ける。主人公のはずのフロドは逃げ続けるだけだし、ガンダルフやアラゴルンも知恵と知識は優れているが英雄的な強さ偉大さはない。栗本薫さんならフロドを剣か魔法の達人に設定し、強大な力を持つ追跡者や超自然的な魔獣との連続する戦いを描くロードノベルにしただろう。『グイン・サーガ』を知る身としては、せっかく話を面白くする仕組み満載なのにエンタメを書くテクニックを知らないのではと思いたくなる。(3巻に続く)2020/06/05