内容説明
“世界の七不思議”にあこがれ、田舎町ササフラス・スプリングスにうんざりして、エベンは、広い世界に出ていきたいと夢見ていた。けれど、父さんは言った。「目の前にある驚異が見えないのに、世界へ“不思議”をさがしに行ってもむだなことだ」そして、この田舎町で“七不思議”を発見したら、コロラド行きの汽車の切符を買ってあげよう、と約束した。はじめは「ばかばかしい」と思っていたエベンだったが、一人にたずね、二人にたずねするうちに…。
著者等紹介
バーニィ,ベティ・G.[バーニィ,ベティG.][Birney,Betty G.]
1947年、アメリカのミズーリ州セント・ルイスに生まれる。ウェブスター大学卒業後、セント・ルイスやシカゴで広告関係の仕事に従事。のち、テレビ番組の制作にたずさわり、ディズニー作品をはじめ数多くの脚本を書いて、エミー賞、ヒューマニタス賞、アメリカ脚本家組合賞などを受賞している。また、児童書の作家としても知られ、物語や絵本を30冊近く出版している
清水奈緒子[シミズナオコ]
1965年、静岡県に生まれる。常葉学園大学外国語学部卒業。翻訳家。大人のための子どもの本の資料館“遊本館”スタッフ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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emi
33
1923年アメリカ・ササフラス・スプリングス。小さな田舎町に住む、エベンは世界の七不思議に憧れて、広い世界に出て行きたいと父さんに言った。すると父さんは、この田舎町で七不思議を発見したら、コロラド行きの汽車の切符を買ってあげようと約束した。エベンはばかばかしいと思いつつ七不思議を探すが…。素朴な田舎町にそっとあった一つ一つの七不思議は、その町に相応しい素朴で心安らかなもの。アメリカではこの本を教材に自分たちの住んでる場所の不思議を見つけようという授業を行う学校もあるそう。子供の好奇心を満たす良書です。2015/05/27
mntmt
23
静かな感動で胸がいっぱいになった。心に残る本です。原題:The Seven Wonders Of Sassafras Springs2016/03/22
杏子
10
世界の七不思議に憧れるエベン少年は、ちっぽけな自分の町ササフラス・スプリングスを出て、外の世界にあるものを見に行きたがっていた。そこまではありふれた夢物語。彼の父親がこの町で七つの不思議を発見したら、汽車の切符を買ってあげようと提案するのが面白い。エベンの見つけた〈不思議〉はみな小さな、ささやかなものばかりだが、それゆえにいっそう心に残る気がした。遠くにある大きなものばかりに目を向けるのではなく、身近なところに意外なものがひそんでいるかもしれない… そう思わせてくれるのは素敵。とてもよい本だとは思うけれど2012/04/03
たんぽこ
5
世界の七不思議に憧れているエベンは、アメリカの田舎町ササフラス・スプリングにうんざりして、広い世界に出て行きたいと夢見ていた。そんなエベンに父さんは、この田舎町で七不思議を発見したらコロラド行きの切符を買ってあげようと約束する。エベンは、町の皆から不思議な話を聞いて回るが・・。一読した感想は「すごく良い・・✨」。児童書好きの友人に薦めたいなあ。2019/05/27
みー
2
古き良き時代と言われていたアメリカの田舎町の少年のお話。まだ目に見ぬ世界の不思議に憧れ夢を見る少年が、まずは自分の小さな町の中で七不思議を見つけていく。大きな世界に目を向ける前に、目の前の世界を知る事の大切さとその意味を問いかける。少年たちが夢と希望を持って自由に走り回るそんな世界が、この先の大戦で失われていくのかと思うと悲しくなる。だからこそ、やはり子供には自由で平和で走り回れる世界を大人たちが築いていかなければと思う。 短編集の様でもあるのでとても読みやすい。主人公の少年のひと夏の成長も読む価値がある2014/05/11