内容説明
「グリーン・ノウ物語」最終巻。おやしきのすべての秘密がここに!12世紀、まだ石づくりの家がめずらしかったころ、「グリーン・ノウ」ができました。ロジャー少年はここを愛し、時を越えて、代々やしきにすんだ人たちと出会います。
著者等紹介
ボストン,ルーシー・M.[ボストン,ルーシーM.][Boston,Lucy Maria]
1892年、イングランド北西部ランカシャー州に生まれる。オックスフォード大学を退学後、ロンドンの聖トマス病院で看護師の訓練を受ける。1917年に結婚。一男をもうける。その後、ヘミングフォード・グレイにある12世紀に建てられた領主館(マナー・ハウス)を購入し、庭園づくりや、パッチワーク製作にたずさわりながら、60歳を過ぎてから、創作を発表しはじめる。代表作は、6巻の「グリーン・ノウ」シリーズ。1962年、『グリーン・ノウのお客さま』でカーネギー賞を受賞。1990年没
亀井俊介[カメイシュンスケ]
1932年、岐阜県に生まれる。東京大学名誉教授。岐阜女子大学教授。『近代文学におけるホイットマンの運命』(研究社出版)で日本学士院賞、『サーカスが来た!―アメリカ大衆文化覚書―』(岩波書店)で日本エッセイストクラブ賞、『アメリカン・ヒーローの系譜』(研究社出版)で大佛次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
58
シリーズ最終巻。グリーン・ノウの家に最初に住んだ子供ロジャーが登場。と同時に今までに出てきた色んな時代の子供達が勢揃いします。時を越えて同じ場所を共有するということに憧れを持ちました。1巻から追いかけてきて良かったです。2018/03/09
Norico
17
グリーンノウ番外編、かな。お屋敷が建った時に住んでいた少年の物語。時代を超え、未来のグリーンノウと、そこに暮らす少年少女たちのつながり。最後、おばあちゃんも登場したのが嬉しかった。おばあちゃんの子どもの頃の話も読みたかったなぁ2021/06/13
cozy
15
児童書。シリーズものの最終巻だけど、これだけ読んでも1つの物語として成り立っていました。お石さまの力で自分の一族の未来へ飛ぶロジャー少年。私だったら自分の一族の未来なんて怖くて見たくないかも(笑)友人からのオススメ本。2017/01/20
ぐっちー
11
再読。シリーズの完結。11世紀、新たな石造の家が建設されるのを日々驚嘆と憧れをもって眺めるロジャー。尊敬する父母、秘密を打ち明ける祖母がいて、素晴らしい技術を持つ職人たちに囲まれて、彼は日々を楽しみ成長してゆく。彼が見つけた「お石さま」に、彼は願わずにはいられない。この家がずっと先の未来まで立ち続けていてくれますようにと。純粋な少年が古の神に捧げた深い祈りは、時間を超える深淵なる祝福となって、響き渡る。壮大な時間の旅とグリーンノウの豊かな自然が変化してゆく旅が円環となってゆっくり閉じてゆく。見事。2020/09/26
じょうこ
11
最終巻。作者84歳。時は850年を行き来すれど、子どもたちはいつだって誰もが正真正銘の子どもで、同様に犬も馬も鳥も葉っぱも石も親切な人々の心も変わらない。本シリーズは永遠の「子ども」への深い敬愛と憧れが基盤にあり、だからこそ私は安心して読み続けられたのかと気づく。そしてなぜかどの時代、どの巻でも「母親」(嫁)が悪く描かれていることについてはいずれ考察しよう。今はとにかく、2020年春~夏に読むことになった幸せをかみしめている。「きっちり緻密に表現しなければ信用されませんからね」作者の言葉・あとがきより 2020/08/06