出版社内容情報
未知の世界はどこにある?宇宙でも、地球の裏側でもなく、それは地中にあった!未知の世界との接触によってあわてふためく大統領や首相、軍司令官たちをよそめに主人公たちが勇気を持って未知のものに接触してゆく。フランスのSF小説。 小学校高学年~
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
103
ほとんど知られていないフランスの児童SF。ある夏の朝、小さな町の集合住宅の地下に不気味な穴が開いて、この世界と別の世界が繋がってしまう。その世界から出てきたのは、人間ともロボットともつかない不思議な存在だった。昭和の眉村卓の小説を思わせるサスペンスに満ちた物語。どんどんスケールが大きくなり、最後で明かされる真相には、想像力を刺激された。時間や空間を超えた壮大なビジョンが示される。想像力がなくて、現状を維持することしか考えていない政治家や軍人に対する風刺は鋭い。もっと知られても良い小説だと思う。2017/09/19
びっぐすとん
8
図書館本。読メレビュー見て。児童書もフランスだと日本と全然違うなぁ。風刺が効いてて手厳しい、SFかつ哲学的で日本の子どもにはウケないと思う。日本の児童書は情緒に訴えるものが多いかな。突如空いた穴から宇宙が広がり、町は封鎖されてしまい、未知の生物から謎のコンタクトを受けるが、軍や役人はお決まりの行動しか取らない・・と現実を揶揄している。ラストもなんとも児童書っぽくないが、小さいときの読書経験がその後の理解力に影響を及ぼすなら、概してヨーロッパ人が哲学を好んだりするのはこういう児童書を読んで成長するからかな。2017/09/20